資金調達診断 →

書類更新 2026.10.16

ファクタリングの必要書類。そろわないときの代わりの書類

結論

ほぼどの会社でも求められるのは「売る請求書」「取引先からの入金が分かる通帳の写し」「本人確認書類」の3点で、法人は登記事項証明書・印鑑証明書・決算書、個人事業主は確定申告書の控えが加わることがあります。法務局と税務署の書類は平日しか窓口で受け取れないので、申し込む前の日までに手配しておくと入金が遅れません。

  • 20分読み終わるまで
  • 10章見出し
  • 12件公的な出典

フファクタリング図鑑編集部(執筆)・公開 2026.10.15

ファクタリングの必要書類。そろわないときの代わりの書類
01

まずそろえる3点と、会社によって増える書類

ファクタリングは、売掛金(取引先から後で受け取る代金)を、入金日より前に買い取ってもらう取引です。法律の上では債権の売買にあたります。※1買い取る側は、書類で「売掛金が本当にあるか」「期日に払われそうか」「申し込んだのは本人か」を確かめます。

そのため、どの会社でもほぼ求められるのは次の3点です。

  • 売る請求書:取引先に送ったものと同じ控え
  • 通帳の写し・入出金明細:その取引先から過去に入金があったことが分かる部分
  • 本人確認書類:代表者(個人事業主なら本人)の運転免許証やマイナンバーカードなど

このほか、会社や取引の形によって、取引の裏付け(契約書・発注書・納品書など)、決算書や確定申告書、登記事項証明書、印鑑証明書、納税証明書が加わります。各社が挙げる書類の種類ごとの割合は審査に落ちる理由の調査にまとめているので、ここでは別の切り口で数えます。

どんな会社で書類が多くなるか

ファクタリング図鑑に載せている86社(2026年10月15日時点)のうち、公式サイトに必要書類を載せていたのは63社でした。その63社が挙げる書類の点数を、会社の性格ごとに平均すると次のとおりです。

会社の性格 社数 書類の点数(平均)
法人だけを相手にすると書く会社 14社 5.4点
個人事業主も受け付ける会社 41社 4.0点
3社間にも対応すると書く会社 34社 4.7点
3社間の対応を書いていない会社 29社 3.8点
医療・介護の報酬を扱う会社 15社 5.7点
それ以外の会社 48社 3.8点
面談なしのオンライン完結と書く会社 35社 3.9点
それ以外の会社 28社 4.8点

出典:ファクタリング図鑑の調査(2026年10月、必要書類を公開していた63社)。1行に「契約書・発注書・納品書など」とまとめて書く会社もあるため、点数は目安です。

法人向けや医療・介護向け、大きな金額を扱う会社ほど、決算書や登記の書類まで求める傾向があります。逆に、少額で面談なしの会社は、請求書・通帳・本人確認の3点で始められることが多くなります。なお、63社のうち11社は「申込みのとき」と「契約のとき」で出す書類を分けて書いていました。契約のときに回されていたのは、印鑑証明書(9社)、登記簿謄本(8社)、納税証明書(2社)、実印・社判(2社)、住民票(1社)です。申込みの段階では3点だけでも、契約の日までに証明書が要ると考えておくと慌てずに済みます。

この章の根拠(1件)
  1. 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
02

書類ごとの取り寄せ方:どこで・何日で・いくらで

手元にある書類と、役所から取り寄せる書類を分けて考えます。取り寄せる書類は、平日の窓口時間に縛られるものがあるので先に手配します。

書類 どこで 手数料(1通) 受け取りまで
履歴事項全部証明書(法人の登記簿謄本) 法務局の窓口、またはオンライン請求 窓口600円/オンライン・郵送520円/オンライン・窓口受取490円 窓口は平日。オンラインは郵送の日数がかかる
法人の印鑑証明書 法務局の窓口、またはオンライン請求 窓口500円/オンライン・郵送450円/オンライン・窓口受取420円 受け取りに印鑑カードが要る
個人の印鑑登録証明書 市区町村の窓口、コンビニ交付 市区町村が決める額 コンビニは毎日6時30分〜23時(市区町村による)
納税証明書 税務署の窓口、e-Tax 窓口400円/オンライン370円(その1・その2は税目数×年度数×枚数) 電子ファイルで受け取る方法もある
確定申告書・決算書の控え 自社の保管分、e-Tax、税理士 控えがあれば0円。開示請求は1件300円(オンライン200円) 開示請求は決定まで原則30日以内
通帳の写し・入出金明細 自社の通帳、ネットバンキング 写しなら0円 その日のうちに用意できる
請求書・契約書・発注書 自社の控え、取引先とのやりとり 0円 探す時間だけ
本人確認書類 手元の運転免許証・マイナンバーカードなど 0円 有効期限の確認だけ

出典:法務省・国税庁・地方公共団体情報システム機構の案内(2026年10月確認)。登記の手数料は2025年4月1日の改定後の額です。

履歴事項全部証明書(法人)

会社の名前・本店の住所・代表者・役員などが載った証明書で、「登記簿謄本」と呼ばれることもあります。法務局の窓口で書面で請求すると1通600円、インターネットで請求して郵送で受け取ると520円、インターネットで請求して法務局の窓口で受け取ると490円です。※1オンライン請求は「登記・供託オンライン申請システム」で、平日8時30分〜23時、休日8時30分〜18時に使えます。ただし平日17時15分より後や休日に送った請求は、翌業務日の受付になります。窓口での受け取りは平日8時30分〜17時15分です。※2登記事項証明書の請求には電子署名が要らないので、パソコンかスマートフォンがあれば誰でも請求できます。書留や速達を頼むと、その実費が加わります。

印鑑証明書(法人)

会社の代表者が法務局に届けている印鑑(いわゆる会社の実印)の証明書です。手数料は窓口500円、オンライン請求で郵送受取450円、窓口受取420円です。※1オンラインで請求するには、代表者の電子署名が必要で、商業登記電子証明書か、マイナンバーカードの署名用電子証明書などを使います。窓口で受け取るときは印鑑カードを持っていきます。※2マイナンバーカードで電子署名ができない場合は、印鑑カードを持って窓口へ行くのが早道です。

印鑑登録証明書(個人)

個人事業主の実印や、法人の代表者個人の実印の証明は、住んでいる市区町村が出します。手数料は市区町村が決めています。マイナンバーカード(またはスマホ用電子証明書を入れたスマートフォン)があれば、多くの市区町村でコンビニの端末から取れ、利用時間は毎日6時30分〜23時です。ただし、取り扱う証明書や時間は市区町村ごとに違うので、住んでいる市区町村の案内を確かめてください。※3

納税証明書

税金を納めた額や、未納がないことを示す証明書で、住所地(法人は本店の所在地)を所轄する税務署に請求します。種類は、納めた税額と未納額を示す「その1」、所得金額を示す「その2」、未納の税額がないことを示す「その3」、一定期間に滞納処分を受けていないことを示す「その4」などに分かれます。手数料は、窓口なら「その1・その2」が税目数×年度数×枚数×400円、「その3・その4」が枚数×400円です。e-Taxで請求すると1枚あたり370円になります。※4

e-Taxで請求した場合、電子証明書があれば電子ファイル(PDF)で受け取り、何度でも印刷できます。電子証明書がなくても、請求だけe-Taxで送って税務署の窓口で受け取る方法があります。税務署の受付時間は原則9時〜15時で、土日祝日は扱っていません。どの種類が要るかは会社によって違うので、請求する前に「その何を、何年度分」と聞いておくと二度手間を防げます。

確定申告書・決算書の控え

法人は直近の決算書(貸借対照表・損益計算書、会社によっては勘定科目内訳明細書まで)、個人事業主は確定申告書(第一表や青色申告決算書・収支内訳書)を出します。決算書を挙げていた29社のうち期数まで書いていたのは15社で、2期分が10社、1期分が3社、3期分が2社でした。e-Taxで申告していれば、メッセージボックスの受信通知からPDFでダウンロードできます。個人なら、マイナンバーカードを使って、e-Taxの「申告書等情報取得サービス」から所得税の申告書や青色申告決算書・収支内訳書をPDFで取れます(書面で出した申告書も対象です)。※5

控えが見つからない場合、税務署の「申告書等閲覧サービス」は、自分で申告書を作るために過去の内容を確かめる制度で、金融機関など第三者への回答に使う目的では閲覧できません。写しが必要なら、保有個人情報の開示請求をします。手数料は1件300円(オンラインは200円)で、決定まで原則30日以内、写しの交付には1か月程度かかります。※5急ぐときに間に合う方法ではないので、税理士に頼んでいるなら、まず税理士に控えの写しをもらうのが早道です。

請求書

取引先に実際に送ったものと同じものを出します。作り直すと、日付や番号が送ったものとずれて確認が止まるもとになります。会計ソフトで作っているなら、送ったときのPDFをそのまま使います。インボイス(適格請求書)なら、発行した側の名前と登録番号、取引の日付、取引の内容、税率ごとの合計額と適用税率、税率ごとの消費税額、受け取る側の名前が載っているはずです。※6支払期日は記載事項ではありませんが、ファクタリングでは期日が分からないと買い取れないので、請求書に書くか、契約書や取引先の支払いのルールで示せるようにしておきます。

契約書・発注書・納品書

請求書は自社で作れる書類なので、取引先が関わった書類で裏付けます。取引基本契約書、注文書(発注書)と注文請書、納品書・検収書、作業の完了報告などです。紙がなければ、発注のメールやチャット、取引先の発注システムの画面の写しでも説明できることがあります。取引先との契約書に、売掛金を他人に譲ることを禁止・制限する特約がないかは、申し込む前に読んでおきます。特約がある売掛金の扱いは審査で見られることで説明しています。

本人確認書類

代表者の運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどです。63社のうち12社は「顔写真付き」を指定していました。住所が変わったのに書き換えていない、有効期限が切れている、という点で出し直しになりやすいので、出す前に確かめます。

この章の根拠(6件)
  1. 法務局「登記手数料はどのようになっていますか?」(令和7年4月1日〜)
  2. 法務省「オンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について」
  3. 地方公共団体情報システム機構「コンビニ交付とは」
  4. 国税庁「納税証明書の交付請求手続」
  5. 国税庁「No.9211 申告書等の確認方法」
  6. 国税庁「No.6625 適格請求書等の記載事項」
03

通帳と入出金明細の出し方

通帳は請求書と並んで、ほぼどこでも求められる書類です。必要書類を載せた63社のうち56社が、通帳の写しか入出金明細を挙げていました。

何か月分を出すか

56社のうち、期間まで書いていたのは27社です。内訳は、3か月分が17社、6か月分が4社、4か月分が3社、2か月分・7か月分・「3〜6か月分」が各1社でした。迷ったら直近3か月分を用意し、取引先からの入金がそれより前にしかない場合は、その入金が載っている月までさかのぼります。

どの口座を出すか

「事業で使っている全口座」「保有するすべての口座」の明細を求める会社が8社ありました。取引先からの入金口座だけでなく、借入れの返済や他社のファクタリングの精算が別の口座で動いていないかも見るためと考えられます。口座が複数あるなら、どの取引先の入金がどの口座に入るかを一覧にしておくと、説明が短く済みます。当座預金を使っている会社には、当座勘定照合表を求める会社が6社ありました。

紙の通帳のとき

表紙(銀行名・支店・口座番号・名義が分かるページ)を付けるよう指定する会社が3社ありました。指定がなくても、表紙と、直近の明細のページを続けて写しておくと、誰の口座かがひと目で分かります。長く記帳していないと、明細が1行にまとめて記帳されて取引先ごとの入金が読めなくなることがあるので、早めに記帳しておきます。まとめて記帳された部分は、銀行の窓口で取引の明細を出してもらえるか相談します(発行の可否や手数料は銀行によって違います)。

ネットバンキングのとき

紙の通帳がない口座は、ネットバンキングの入出金明細をPDFやCSVで保存するか、画面の写しを出します。「Web通帳可」と明記する会社は2社でした。書いていない会社もあるので、出す形式を先に聞いておきます。画面の写しなら、銀行名・口座番号・名義・期間が同じ画面か続きの画面に入るようにします。照会できる期間は銀行ごとに決まっていることがあり、古い明細が見られないこともあるため、必要な月が照会できる期間に入っているかも確かめます。

04

2社間・3社間、法人・個人事業主で変わる書類

2社間と3社間

2社間(取引先に知らせずに売る方式)では、ファクタリング会社が取引先と直接やりとりしないので、書類で確かめる比重が大きくなります。法人の2社間では債権譲渡登記を求められることがあり、その場合は代表者の資格を証する書面(登記事項証明書)と代表者の印鑑証明書を、作成後3か月以内のもので用意します。※1登記の手続きはファクタリング会社や司法書士が進めることが多く、利用者は証明書と実印を用意する形になります。仕組みと費用は債権譲渡登記とはで説明しています。

3社間(取引先の承諾を得て、取引先からファクタリング会社に直接払ってもらう方式)では、上の書類に加えて、取引先が承諾したことを示す書面(承諾書)や、取引先に送る譲渡の通知書が加わります。取引先の押印や確定日付が必要になることがあり、取引先の社内手続きの日数がかかります。2つの方式の違いは2社間と3社間の違いをご覧ください。

個人事業主

個人事業主は登記がないので、登記事項証明書と法人の印鑑証明書の代わりに、確定申告書の控え、開業届の控え、住民票や個人の印鑑登録証明書を求められることがあります。債権譲渡登記は法人だけの制度なので、個人事業主の売掛金は登記の対象になりません。※2確定申告前の1年目の書類の考え方や、個人事業主を受け付ける会社の数は個人事業主のファクタリングにまとめています。

医療・介護

診療報酬や介護報酬を売る場合は、請求書の代わりにレセプトの請求の控えや、支払いの決定額が分かる通知を数か月分出すのが基本です。医療機関コードや事業所番号が分かる書類も求められます。最初の章の表のとおり、書類の点数も多めです。詳しくは医療・診療報酬のページで説明しています。

この章の根拠(2件)
  1. 法務省「(債権譲渡登記等)添付書面・登録免許税」
  2. 動産・債権譲渡特例法4条1項
05

そろわないときの代わりの書類

書類が1つ欠けても、すぐに申し込めなくなるとは限りません。その書類が「何を確かめるためのものか」が分かれば、別の書類で同じことを示せる場合があります。63社のうち3社は契約書や決算書を「任意」「必須ではない」と書き、2社は取引先とのメールや売上画面で代えられると書いていました。代わりを認めるかは会社によるので、先に相談してください。

そろわない書類 代わりに出せることがある書類
契約書がない(口頭やメールで発注を受けた) 発注のメールやチャット、注文書・注文請書、納品書・検収書、作業の完了報告
紙の通帳がない ネットバンキングの入出金明細(PDF・CSV・画面の写し)
決算書がまだない(創業1期目) 試算表、月ごとの売上の記録、開業届の控え
決算から時間がたっている 直近の試算表(63社のうち5社が試算表を挙げていた)
同じ取引先からの入金がまだない 契約書・発注書・納品の記録をそろえて、取引の中身を説明する
確定申告書の控えが見つからない e-Taxの受信通知、申告書等情報取得サービスのPDF、税理士が持つ写し
請求書をまだ出していない 請求書を出してから申し込む。注文書の段階で資金化する方法もある

決算書がないときの考え方は決算書がない・確定申告前、請求書の前の段階で資金化する方法は注文書ファクタリングで説明しています。一方で、本人確認書類と、期限の決まった証明書は代わりがききません。必要書類を書いていた63社の中には、印鑑証明書と登記簿謄本を「直近1週間以内」とする会社や、履歴事項全部証明書を「3か月以内」とする会社もありました。手元の証明書が古ければ、取り直すしかありません。

06

前の日までにそろえるチェックリスト

申し込む前の日に、次の表で手元にあるかを確かめます。法務局と税務署の書類は平日しか窓口で受け取れないので、週末をはさむときは金曜日までに手配します。

法人

  • 売る請求書(取引先に送ったものと同じPDFか控え)
  • その請求書の裏付け(契約書・注文書・納品書・検収のメールなど)
  • 通帳の表紙と直近3か月分の明細(取引先からの入金が載っている範囲まで)
  • 使っている口座の一覧(全口座を求められたときのため)
  • 代表者の本人確認書類(顔写真付き、住所が最新、有効期限内)
  • 直近の決算書(2期分を求められることがある。決算から時間がたっていれば試算表)
  • 履歴事項全部証明書(取得から日が浅いもの)
  • 法人の印鑑証明書と印鑑カード、会社の実印
  • 納税証明書(求められたら、種類と年度を確かめて)
  • 取引先との契約書の譲渡を制限する特約の有無のメモ

個人事業主

  • 売る請求書(取引先に送ったものと同じもの)
  • その請求書の裏付け(業務委託契約書・発注のメールやチャット・納品の記録)
  • 取引先からの入金が分かる通帳か入出金明細(事業用と生活用が分かれていなければ両方)
  • 本人確認書類(顔写真付き、住所が最新、有効期限内)
  • 前の年の確定申告書の控え(第一表、青色申告決算書か収支内訳書)
  • 開業届の控え(求められたとき)
  • 住民票や個人の印鑑登録証明書(契約時に求められたとき)

取り寄せる順番

急ぐときは、自分の手だけでは早められない書類から手をつけます。

  1. 会社に必要書類を聞く:申込みのときと契約のときに出すもの、証明書の期限と通数、納税証明書の種類と年度を確かめます。
  2. 法務局と税務署の書類を請求する:オンライン請求なら平日の夜でも送れますが、平日17時15分より後の登記の請求は翌業務日の受付です。郵送で受け取るなら、その日数も見込みます。
  3. 売る請求書を決める:取引先・金額・支払期日を書き出すと、見積もりも早く出ます。
  4. 裏付けと通帳を集める:請求書と同じ取引の契約書や発注のメール、取引先の入金が載った明細を、同じフォルダにまとめます。
  5. 決算書・確定申告書を探す:控えがなければ、e-Taxや税理士から取り寄せます。

取り寄せにかかるお金の例

法人が登記事項証明書・印鑑証明書・納税証明書(その1、法人税と消費税の2税目・1年度分)を1通ずつ用意する場合で計算します。オンラインで請求して郵送で受け取ると、520円+450円+370円×2税目×1年度=740円で、合計1,710円です。窓口で請求すると、600円+500円+400円×2税目×1年度=800円で、合計1,900円になります。債権譲渡登記に使う分と、ファクタリング会社に出す分で同じ証明書が2通要ることもあるので、通数は先に聞いておきます。

07

出す前に書類どうしで合わせておく箇所

書類は1枚ずつではなく、並べて食い違いがないかを見られます。どこが審査で重く見られるかは審査で見られることに任せ、ここでは出す前に自分で照らし合わせる箇所を挙げます。

合わせる箇所 照らし合わせる書類 ずれやすい例
会社名・屋号 請求書、通帳の名義、登記事項証明書、契約書 略称や旧社名のまま、通帳がカナ名義
本店・住所 登記事項証明書、本人確認書類、請求書 移転したのに登記や免許証が古い住所
代表者 登記事項証明書、本人確認書類、印鑑証明書 代表者が変わったのに変更の登記をしていない
取引先の名前 請求書の宛名、契約書、通帳の振込名義 振込元がグループ会社や支払代行の名前
金額 請求書、契約書・注文書、過去の入金額 振込手数料を引いた額で入金されている
日付 請求書の発行日・支払期日、納品書、入金日 締め日と支払日のルールが請求書と合わない

振込名義や入金額がずれる理由が分かっているなら、先にひとことメモを付けておくと、確認の往復が減ります。たとえば「取引先の支払いは親会社名義で入る」「振込手数料660円を引かれて入金される」といった説明です。

08

よくある不備と、直し方

よくある不備 直し方
写真がぼやけている、端が切れている、影で読めない 明るい場所で真上から撮るか、スキャナやスマートフォンのスキャン機能でPDFにする。4隅が入っているか確かめる
通帳の期間が足りない、取引先の入金が載っていない 指定の月数に、取引先の入金が載っている月まで足す
通帳の表紙がなく、誰の口座か分からない 表紙か、ネットバンキングの口座情報の画面を付ける
請求書を作り直して出した 取引先に送ったものと同じ控えに差し替える
証明書が古い 会社が指定する期限内のものを取り直す
本人確認書類の住所が古い、期限切れ 書き換えてから出すか、別の有効な本人確認書類を出す
決算書が一部しかない 貸借対照表・損益計算書のほか、求められれば勘定科目内訳明細書まで付ける
ファイル名がばらばらで、どれが何か分からない 「01_請求書_取引先名_10月分」のように番号と中身を付ける

書類の不足や食い違いで確認が止まると、そのぶん入金が遅れます。急ぎのときの段取りは即日入金の仕組みも参考にしてください。

09

個人情報と通帳を出すときの注意

マイナンバーは出さない

マイナンバー(個人番号)は、法律が認める場面のほかは、他人に渡すことも、相手が集めることもできません。※1※2個人番号の部分を元に戻せない程度に黒く塗るか削れば、ふつうの個人情報として扱えるとされています。※3ファクタリング会社に出す書類は、この「法律が認める場面」に当たらないと考えられるので、次のようにします。

  • 本人確認にマイナンバーカードを使うなら、表面だけを出す(個人番号は裏面に載っている)
  • 確定申告書の控えを出すなら、個人番号の欄を黒く塗ってから写す
  • 住民票は、個人番号の記載がないものを取る

黒く塗るときは、ペンで塗ったものを写すか、画像を加工して塗りつぶした上で保存し直します。はがせる付箋やテープで隠しただけでは不十分です。

健康保険の記号・番号も隠す

健康保険証や資格確認書を本人確認に使う場合、保険者番号と被保険者の記号・番号は、健康保険の事務以外の目的で告げるよう求めることが原則として禁じられています。写しを出すときは、記号・番号(それが読み取れるQRコードも)を元に戻せない程度に塗りつぶします。※4運転免許証など、ほかの本人確認書類があればそちらを使う方が手間がかかりません。

通帳のほかの取引を隠してよいか

通帳には、取引先以外の入出金(給与・借入れの返済・生活費など)も載っています。ほかの行を黒く塗ってよいかについて、確かめられる公的な決まりはありません。ファクタリング会社は入出金の流れ全体から資金繰りや他社の利用を見ることがあるため、塗った部分が多いと確認ができず、出し直しになることがあります。隠したい行があるときは、塗る前に「どこまで隠してよいか」を担当者に聞いてください。

送り先と保存のしかた

  • 書類は、会社の公式サイトのアップロード画面や、担当者から案内された方法で送る。SNSの個人アカウントへの送付を求める相手には出さない
  • 相手の個人情報の扱い(利用目的や保存期間)がプライバシーポリシーに書いてあるか確かめる
  • 出した書類と、結んだ契約書の写しは手元に残す

事実と違う書類は出さない

金額を書き換えた請求書や、実際にはない取引の請求書を出すと、契約違反になるだけでなく、詐欺などの犯罪に問われるおそれがあります。一度売った請求書をほかの会社にもう一度売るのも、同じ売掛金をめぐる争いのもとになります。他社を利用中なら、その契約書と残高が分かる書類を正直に出してください。

この章の根拠(4件)
  1. 番号法19条
  2. 番号法20条
  3. 個人情報保護委員会 FAQ Q5-9
  4. 厚生労働省「医療保険の被保険者等記号・番号等の告知要求制限について」
10

使わない方がよい場合と、ほかの方法

書類をそろえる前に、ファクタリングが合っているかも確かめてください。

  • 毎月のように使わないと回らない場合:手数料が毎回かかるので、資金繰りがかえって苦しくなります。金融庁も、高額な手数料で資金繰りが悪化し、多重債務に陥る危険があると注意しています。※1
  • 書類をほとんど求めず、買い戻しや保証を求める業者の場合:売った側が売掛金を買い戻す義務を負うなど、実質的に貸付けと同じ取引は、貸金業に当たるおそれがあります。※1見分け方は危ない業者の見分け方をご覧ください。
  • 入金まで数週間の余裕がある場合:融資の方が費用を抑えられることがあります。

ほかの方法としては、銀行や日本政策金融公庫などの融資、取引先への支払いの前倒しの相談、自社の支払先への支払いの延期の相談があります。税金の支払いが重なっているなら、税務署に申請して換価の猶予や納税の猶予が認められる場合があります。※2どの方法が合うかは資金調達診断で確かめられます。書類がそろったら、手数料と入金までの日数から実質の負担を手数料と実質年率の計算で出し、複数の会社の条件を比べてから決めてください。

この章の根拠(2件)
  1. 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
  2. 国税庁「No.9206 国税を期限内に納付できないとき」
出典(12件)公的機関の資料・法令。2026.10.16に確認
  1. ファクタリングの利用に関する注意喚起:金融庁www.fsa.go.jp
  2. 登記手数料はどのようになっていますか?(令和7年4月1日〜):法務局houmukyoku.moj.go.jp
  3. 法務省:オンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について(商業・法人関係)www.moj.go.jp
  4. 法務省:(債権譲渡登記等)添付書面・登録免許税www.moj.go.jp
  5. G-1 納税証明書の交付請求手続|国税庁www.nta.go.jp
  6. No.9211 申告書等の確認方法|国税庁www.nta.go.jp
  7. No.6625 適格請求書等の記載事項|国税庁www.nta.go.jp
  8. コンビニ交付とは:地方公共団体情報システム機構www.lg-waps.go.jp
  9. 番号法第19条各号のいずれにも該当しない特定個人情報の提供の求めがあった場合(FAQ Q5-9):個人情報保護委員会www.ppc.go.jp
  10. 医療保険の被保険者等記号・番号等の告知要求制限について|厚生労働省www.mhlw.go.jp
  11. 動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律|e-Gov法令検索laws.e-gov.go.jp
  12. No.9206 国税を期限内に納付できないとき|国税庁www.nta.go.jp

NEXT

あなたの条件で、使える会社を探す

業種・状況・入金の期限・金額の9つの質問に答えると、使える方法と会社を理由つきで返します。会員登録はいりません。

9つの質問で診断する →全社の一覧で比べる