書類更新 2026.11.05
ファクタリングに通帳のコピーが必要な理由|何か月分・ネット銀行の出し方
ファクタリングで通帳のコピーが必要なのは、売掛先から実際に入金があり取引が続いているかを確かめるためです。図鑑の106社のうち95社が求め、期間は3か月分が最多でした。出す前の見直し方とネット銀行の出し方もまとめました。
初めての方へファクタリングを使う前に知る5つのこと・申込みから入金まで →
フファクタリング図鑑編集部(執筆)・公開 2026.11.06

ファクタリングを申し込むと、ほとんどの会社で「通帳のコピー」を求められます。お金を借りるわけではないのに、なぜ口座の中身まで見せるのか、と戸惑う方も多いはずです。この記事では、通帳で何が確かめられるのか、何か月分をどの形で出せばよいのか、ネット銀行で紙の通帳がないときはどうするのかを、図鑑のデータ(2026年11月5日時点)と合わせて説明します。
この記事を6枚で
1 / 6先に結論:通帳は「取引が続いている証拠」。直近3か月分が目安
お金を借りるわけじゃないのに、なんで口座まで見せるの?
ファクタリング会社は、売掛先からあとで払われるお金を当てにして先に払います。だから、その相手から本当に入金が続いているかを、銀行が残した記録で確かめたいんです。106社のうち95社が通帳を求めていました。
ファクタリング会社が通帳を見たいのは、あなたの貯金の額を知るためではありません。売る請求書の相手(売掛先)から、これまで実際にお金が入ってきているかを確かめるためです。請求書は自社で作れる書類なので、それだけでは取引が本当にあるかが分かりません。通帳の入金の記録は、銀行が残した記録なので、取引の裏付けになります。
図鑑に載せている一般の請求書を扱うサービスのうち、必要書類と対象(法人・個人事業主)が分かる106社を数えると、95社が通帳の写しか入出金明細を挙げていました。期間まで書いている41社では、3か月分が29社で最も多くなっています。
印がついた行が、いちばん大事なの?
そう、売掛先からの入金の行だよ。3か月分の中に毎月並んでいれば、取引が続いている証拠になる。
- 通帳を求める会社は106社のうち95社(約9割)。請求書と並んで、ほぼどの会社でも出す書類です
- 期間を書いている41社のうち29社が「3か月分」。迷ったら直近3か月分を用意します
- 「保有するすべての口座」の明細を求める会社が10社あります。口座が複数あるなら、全部出す前提で準備します
- 紙の通帳がないネット銀行でも、入出金明細のPDFや画面の写しで出せます。「Web通帳可」と明記する会社は7社でした
この記事では、まず通帳で確かめられる4つのことを説明し、次に95社の求め方をデータで見ます。そのあと、出す前に自分の通帳を見直すポイント、紙の通帳とネット銀行それぞれの出し方、入金の記録が通帳にないときの代わりの資料、やってはいけないことを順に書きます。通帳以外の書類(登記簿・本人確認書類・決算書など)の全体はファクタリングの必要書類にまとめています。
通帳のコピーが必要な理由:ファクタリング会社が確かめる4つのこと
残高が少ないと、それだけで断られちゃう?
残高の少なさだけで決まるわけではありません。見られやすいのは、毎月の入金と出金の流れが読めるかどうかです。売掛先からの入金の行が読めて、気になる行に説明がつけば、通帳の役目は果たせます。
ファクタリングは、まだ支払われていない請求書(売掛金)をファクタリング会社が買い取る取引です。ファクタリング会社は、あとで売掛先から代金が払われることを前提にお金を出します。そのため、申込者の会社そのものより、売掛先がきちんと払う相手か、取引が本当にあるかを重く見ます。通帳は、そのことを確かめるための記録です。
入金のほかにも見られるの?
名義が本人か、ほかの会社への精算や返済がないか、税金が払えているかも見るよ。説明できる行なら心配いらない。
1. 売掛先から、これまで実際に入金があるか
いちばん大きな目的は、売る請求書の売掛先から、過去に代金が入っているかを見ることです。同じ相手から毎月のように入金があれば、取引が続いていて、期日どおりに払う相手だと分かります。逆に、初めての取引先の請求書は入金の記録がないため、ほかの資料で取引を示す必要があります(後の章で説明します)。
このとき、請求書の宛名と振込人の名義、請求額と入金額、支払期日と入金日が合っているかも見られます。名義や金額がずれやすい理由(親会社がまとめて払う、振込手数料を差し引く、源泉徴収や相殺がある)と、その説明のしかたは審査で請求書・通帳・契約書が突き合わされる箇所で具体例を挙げています。
2. 口座が申込者本人のものか
通帳の表紙やネットバンキングの画面には、銀行名・支店・口座番号・名義が載っています。ファクタリング会社は、この名義が申込者(法人なら会社、個人事業主なら本人)と同じかを確かめます。買取代金の振込先も、原則としてこの口座になります。
名義が違う口座、たとえば家族の口座や、別の会社の口座に入金を受けていると、売掛金が本当に申込者のものかが分かりにくくなります。個人事業主で、事業の入金を個人名義の口座で受けている場合は、それ自体は問題になりにくく、名義が本人であることが分かれば説明はつきます。
3. ほかのファクタリング会社や借入れの動き
通帳には、入金だけでなく出金も載っています。ほかのファクタリング会社への精算や、貸金業者への返済が並んでいれば、ファクタリング会社はそれを見て、資金繰りの状況や、同じ請求書がすでに売られていないかを考えます。同じ売掛金を2社に売る「二重譲渡」は、ファクタリング会社にとって最も避けたい事態だからです。
ほかの会社を使っていること自体は、断られる理由になるとは限りません。どの請求書をどの会社に売っているかを説明できれば、別の請求書を売ることはできます。併用や乗り換えのときの整理のしかたはファクタリングの乗り換え・併用で説明しています。
4. 事業が回っているか(税金・社会保険料・残高の推移)
通帳からは、税金や社会保険料が引き落とされているか、残高が急に減っていないか、といった事業の様子も読み取れます。売掛金の回収はファクタリング会社が受け取る(2社間なら申込者を通して受け取る)ため、申込者の事業が急に止まると、回収の手続きが滞るおそれがあるからです。
残高が少ないこと自体は、ファクタリングを申し込む人の多くに共通することで、それだけで断られるとは限りません。見られやすいのは、毎月の入金と出金の流れが読めるかどうかです。
なぜ「全部の口座」を求める会社があるのか
図鑑のデータでは、「保有するすべての口座」「事業で使っている全口座」の明細を求める会社が10社ありました。入金を受ける口座だけを見ても、借入れの返済やほかのファクタリング会社への精算を別の口座で払っていれば分からないためと考えられます。口座が複数あるなら、どの取引先の入金がどの口座に入り、どの支払いがどの口座から出ていくかを、1枚のメモにしておくと説明が短く済みます。
通帳だけで決まるわけではない
通帳は審査の材料の1つで、通帳だけで結果が決まるわけではありません。ファクタリングの審査でいちばん重く見られるのは、売掛先がどんな相手で、期日どおりに払いそうかという点です。通帳は、そのことを過去の入金で裏付ける役目を持っています。
ですから、残高が少ない、入出金が多くて読みにくい、といった理由で通帳を出すのをためらう必要はありません。売掛先からの入金の行が読めて、気になる行に説明がつけば、通帳の役目は果たせます。売掛先のどこが見られるかはファクタリングの審査で見られることで説明しています。
95社の求め方:何か月分・どの口座・どの形式
3か月分って言われたけど、いつからいつまで?
申し込む日からさかのぼって3か月が入っていれば足ります。11月5日に申し込むなら、8月の初めから最後に記帳した行まで。期間を書く41社のうち29社が3か月分で、6か月分の会社も5社あります。
ここからは、図鑑のデータで、通帳をどのように求めているかを見ます。母数は、一般の請求書を扱う168サービスのうち、注意喚起をしておらず、必要書類と対象(法人・個人事業主)が公式サイトで分かる106社です。数字は2026年11月5日時点で、各社の公式サイトの表記を図鑑が記録したものです。
何か月分を求めるか
通帳か入出金明細を挙げる95社のうち、期間まで書いていたのは41社でした。残りの54社は「通帳のコピー」とだけ書いていて、何か月分かは申込みのあとで案内されます。
いちばん多い3か月分3か月より長い3か月より短い
41社のうち29社が3か月分でした。3か月より長い期間を求める会社は11社で、短いのは1社だけです。まず直近3か月分を用意し、求められたら6か月分まで足せるようにしておくと、ほとんどの会社に対応できます。
ただし、売る請求書の売掛先からの入金が3か月に1回もない取引なら、3か月分では入金の記録が1行も写りません。四半期ごとに払う相手や、年に数回しか取引がない相手なら、その相手からの入金が載っている月までさかのぼって用意します。
「直近3か月分」の数え方
「直近3か月分」は、申し込む日からさかのぼって3か月の取引が入っていれば足りる、と考えるのが分かりやすい数え方です。たとえば11月5日に申し込むなら、8月の初めから、前日か当日に記帳した最後の行までを写します。月の途中で区切るより、月の初めからそろえた方が、毎月の入金の並びが読みやすくなります。
売掛先の支払日が月末なら、3か月分の中に3回分の入金が並ぶはずです。並んでいない月があれば、その月だけ支払いが遅れた、別の口座に入った、などの理由を書き添えておきます。
どの口座・どの形式で出すか
期間のほかに、95社が通帳について書いている条件を数えると、次のようになりました。1社が複数の条件を書いていることがあります。
| 通帳について書いている条件 | 社数(95社のうち) | 準備すること |
|---|---|---|
| 入金や取引が分かるものと、目的まで書く | 21社 | 売掛先からの入金の行が写っているかを確かめる |
| 保有するすべての口座(事業用の全口座) | 10社 | 入金を受けない口座も含めて全部そろえる |
| Web通帳・ネットの明細でも可と明記 | 7社 | 紙の通帳がなければ、明細のPDFや画面の写しを出す |
| 当座勘定照合表も挙げる | 7社 | 当座預金があるなら、銀行から届く照合表を出す |
| 事業用・法人名義の口座と指定 | 4社 | 私用の口座ではなく、事業の入金を受ける口座を出す |
| 表紙付きと指定 | 3社 | 銀行名・口座番号・名義が載るページも写す |
「Web通帳可」と書く会社が7社しかないのは、書いていない会社がネットの明細を受け付けないという意味ではありません。書いていない会社でも、明細のPDFや画面の写しを受け付けることがあります。ただ、形式は会社ごとに違うので、申し込むときに「紙の通帳がないが、ネットバンキングの明細でよいか」と先に聞いておくと、出し直しになりません。
書類が少ない会社でも、通帳はほぼ求められる
必要書類の数で分けて、通帳を求める会社の割合を比べました。書類が少ない会社ほど通帳を省いている、ということはありません。
| 必要書類の数 | 社数 | うち通帳を求める |
|---|---|---|
| 2点以下 | 14社 | 12社 |
| 3点 | 40社 | 37社 |
| 4点以上 | 52社 | 46社 |
書類が2点以下の14社のうち12社は、その2点が「請求書と通帳」でした。書類が少ない会社は、通帳を省くのではなく、通帳と請求書だけで判断していることが多いと言えます。個人事業主も申し込める79社では76社が、面談なしのオンライン完結と書く54社では52社が、通帳を求めていました。
出す前に自分の通帳を見直す:審査の担当者が目を留める行
通帳に、ほかのファクタリング会社の名前が載ってるんだけど…
使っていること自体で断られるとは限りません。どの請求書をどの会社に売ったかを書き出しておき、今回の請求書と重なっていないことを示せれば、話は進みます。
通帳のコピーを出す前に、ファクタリング会社の担当者になったつもりで、自分の通帳を一度見直しておきます。説明が必要な行に先に気づいておけば、審査の電話で慌てずに済み、結果として入金までの時間も短くなります。
- 売掛先からの入金の行売る請求書の相手からの入金が、期間の中に写っているか
- 口座の名義と申込者法人なら会社名、個人事業主なら本人の名義か
- ほかのファクタリング会社・貸金業者の名前精算や返済の行は、何の取引かを一言で説明できるか
- まとめて記帳された行「合算」「おまとめ」の1行では、どの入金か読めない
- 税金・社会保険料の引落しが止まっている滞納があるなら、隠さず先に伝える
- 残高が急に減った月大きな出金に理由(仕入れ・設備・納税など)を言えるか
売掛先からの入金の行に印をつける
まず、売る請求書の売掛先からの入金の行を探し、コピーの上で印をつけるか、別紙に日付と金額を書き出します。担当者は何十行もの明細から該当する行を探すので、どの行がその相手の入金かが分かるだけで、確認が早く進みます。振込人の名義が略称のカタカナや、親会社・支払代行の名前になっている場合は、その旨を一言添えます。
ほかのファクタリング会社や貸金業者の名前がある
出金の行に、ほかのファクタリング会社や貸金業者の名前がある場合は、聞かれる前に説明できるようにしておきます。どの請求書を、いつ、どの会社に売ったか(または、いつ借りて、毎月いくら返しているか)を書き出しておけば十分です。今回売る請求書が、すでにほかの会社に売った請求書と重なっていないことを示せれば、話は進みます。
まとめて記帳された行がある
紙の通帳は、長く記帳しないでいると、一定の件数を超えた取引が「合算」や「おまとめ」の1行にまとめて記帳されることがあります。こうなると、どの日にどこから入金があったかが通帳では読めません。銀行の窓口で、その期間の取引の明細を出してもらえるか相談します。発行できるか、手数料がかかるかは銀行によって違います。
見せたくない取引があっても、消さない
私的な支払いや、取引先に知られたくない入金など、見せたくない行があることもあるでしょう。それでも、コピーの一部を黒く塗ったり、切り取ったりするのは避けてください。担当者からは「何を隠しているのか」が分からないため、かえって確認の連絡が増えたり、断られたりする原因になります。どうしても気になる行は、出す前に「この行は私的な支払いです」と伝えれば足ります。
マイナンバーなど法律で取り扱いが決まっている情報は別です。本人確認書類や通帳以外の書類でマイナンバーが写る場合の扱いは、必要書類の記事の個人情報の章で説明しています。
紙の通帳のコピーの取り方
通帳を繰り越して、冊子が2冊になってるんだ。
期間が2冊にまたがるなら、古い冊子の最後のページと、新しい冊子の最初のページの両方を写します。表紙の裏の、銀行名・口座番号・名義のページも忘れずに。
紙の通帳がある口座は、直前に記帳してから写しを作ります。申込みの前日までに記帳しておくと、当日の朝に銀行へ行く手間がなくなります。
どのページを写せばいいの?
表紙の裏と、求められた期間の明細。売掛先の入金がもっと前なら、そのページも足そう。
写すページ
- 表紙の裏(見開き):銀行名・支店名・口座番号・名義が載っているページです。表紙付きと指定する会社は3社ですが、指定がなくても付けておくと、誰の口座かがひと目で分かります。
- 求められた期間の明細のページ:直近3か月分なら、3か月前の月の初めから、最後に記帳した行までを、途中のページを飛ばさずに写します。
- 売掛先からの入金が載っている古いページ:期間の中に入金がない取引なら、最後に入金があったページも足します。
通帳を繰り越して新しい冊子になっている場合は、古い冊子の最後のページと、新しい冊子の最初のページの両方が必要になることがあります。期間が2冊にまたがっていないかを確かめてください。
スマートフォンで撮るときの注意
オンラインで申し込む会社には、写しをスマートフォンで撮った画像で送れる会社もあります。撮るときは、次の3つに気をつけます。
- 1ページずつ、端まで入るように真上から撮る。斜めや影で数字が読めないと、撮り直しになります
- 日付・摘要(振込人の名義)・金額・残高の列が、すべて写っていることを確かめる
- ファイルの名前に、銀行名と期間(例:○○銀行_8月〜10月)を入れる。口座が複数あるときに取り違えません
当座預金の口座があるとき
当座預金には通帳がなく、銀行から定期的に届く当座勘定照合表で入出金を確かめます。当座勘定照合表も挙げる会社は7社でした。手形や小切手を使っている会社は、照合表に手形の決済などの動きが載るため、普通預金の通帳と合わせて出します。
ネット銀行・ネットバンキングの場合の出し方
ネットの明細、CSVで出してもいい?
CSVは数字を加工できる形式なので、PDFや画面の写しを求められることがあります。迷ったらPDFか画面の写しに。照会できる期間が銀行ごとに決まっていることもあるので、必要な月が見られるかも先に確かめます。
紙の通帳を発行しない口座や、ネット銀行の口座では、ネットバンキングの入出金明細を出します。紙の通帳がないことは、それだけで不利にはなりません。大事なのは、紙の通帳と同じ情報(銀行名・口座番号・名義・期間・取引の明細)が欠けずに伝わることです。
ネット銀行だから、紙の通帳がないんだけど…
明細をPDFで保存するか、画面の写しで出せる会社があるよ。名義と口座番号が入るようにして、形式は先に聞いておこう。
出す手順は次の4つです。
- 出す形を先に聞く:PDF・CSV・画面の写しのどれでよいかを、申込みのときに確かめます。
- 期間を指定して明細を出す:求められた期間の初めの日から今日までを指定します。
- 名義と口座番号が入る形で保存する:明細の画面に名義がなければ、口座情報の画面も合わせて保存します。
- 売掛先の入金の行を確かめる:期間の中に入金の記録があるかを見て、なければ期間を広げます。
PDF・CSV・画面の写しのどれで出すか
ネットバンキングでは、期間を指定して入出金明細をPDFやCSV(表計算ソフトで開ける形式)で保存できることがあります。PDFは見た目が崩れず、そのまま出しやすい形です。CSVは数字を加工できる形式なので、PDFや画面の写しを求められることがあります。迷ったらPDFか画面の写しを選びます。
画面の写し(スクリーンショット)で出すときは、銀行名・口座番号・名義・期間が、同じ画面か続きの画面に入るようにします。明細の画面に名義が出ない銀行なら、口座情報の画面も1枚足してください。スクロールして何枚にも分かれるときは、日付が重なるように撮ると、抜けがないことが伝わります。
照会できる期間に気をつける
ネットバンキングで照会できる期間や、PDFで出せる期間は、銀行ごとに決まっていることがあります。6か月分を求められたのに、画面では直近の数か月分しか見られない、ということも起こりえます。必要な月が照会できる期間に入っているかを、申し込む前に確かめておきます。照会できない古い取引は、銀行に取引の明細の発行を頼めるか相談します。
口座の連携を求められたとき
オンラインで完結する会社の中には、明細の画像の代わりに、ネットバンキングの口座とつないで取引の記録を読み取る方式をとる会社もあります。この場合、ネットバンキングのログインのパスワードを相手に教えるのではなく、銀行が用意した連携の仕組みで許可を出す形になっているかを確かめてください。確かめ方はオンライン完結のファクタリングとAI審査で説明しています。
通帳に売掛先からの入金の記録がないとき
初めての取引先だから、入金の記録がないんだ。
その場合は、契約書・発注書・納品書・やり取りのメールで取引を示します。過去の入金がないぶん慎重に見られて、手数料が高めに出ることもあります。ほかの取引先からの入金も、隠さずそのまま出しましょう。
通帳を出しても、売る請求書の売掛先からの入金が1行もない、ということがあります。それだけで申し込めなくなるとは限りません。記録がない理由ごとに、代わりに出せる資料があります。
- その売掛先と取引するのは初めて?はい → 契約書・発注書・納品書・やり取りのメールで取引を示すいいえ → 次へ
- 入金を別の口座で受けている?はい → その口座の明細も出すいいえ → 次へ
- 手形・でんさい・相殺など、振込以外で払われている?はい → 手形の写し・でんさいの記録・相殺の明細を出すいいえ → 次へ
- 入金が期間より前にしかない?はい → 入金が載っている月までさかのぼって出すいいえ → 取引の記録をそろえ、事情をファクタリング会社に先に伝える
初めての取引先の請求書
初めて取引する相手の請求書は、当然ながら過去の入金の記録がありません。その代わりに、契約書や発注書、納品書や検収の連絡、仕事のやり取りのメールなど、取引があったことを示す資料を出します。過去の入金がないぶん、ファクタリング会社は慎重に見るので、手数料が高めに出たり、売掛先が企業として実在するかを確かめる時間がかかったりすることがあります。
ほかの売掛先から期日どおりに入金がある通帳なら、それも事業が続いている証拠になります。売る請求書の相手以外の入金も、隠さずそのまま出してください。
手形・でんさい・相殺で払われている
売掛先が手形や電子記録債権(でんさい)で支払っている場合、通帳には売掛先からの振込が載らず、手形の取立てやでんさいの決済の記録として載ります。手形の写しや、でんさいの記録の画面を合わせて出すと、どの入金がどの取引の分かを説明できます。でんさいの記録は、取引銀行のでんさいの画面で確かめられます。
入金の口座を最近変えた
取引先への振込先を最近変えた場合、新しい口座には過去の入金がなく、古い口座に記録が残っています。この場合は、古い口座の通帳(または明細)と新しい口座の通帳の両方を出し、いつから振込先を変えたかを一言添えます。古い口座を解約していて通帳もない場合は、解約前の取引の明細を銀行に出してもらえるか相談します。
反対に、ファクタリングを申し込む直前に、売掛先からの振込先を新しい口座に変えるよう取引先に頼むのは避けます。担当者からは、入金の流れが急に変わった理由が分からず、確認に時間がかかります。
個人事業主で、事業と生活の口座が同じ
個人事業主は、事業の入金と生活の支払いを1つの口座で回していることも多いはずです。その場合も、その口座の通帳をそのまま出します。生活の支払いが混じっていても、事業の入金の行が読めれば足ります。事業用の口座と指定する会社が4社あるので、事業用に分けた口座があるなら、そちらを出してください。個人事業主がファクタリングを使うときの全体は個人でもファクタリングを使えるかにまとめています。
やってはいけないこと・よくある失敗
前に別の会社に出したコピー、使い回せない?
最後の記帳が古いと直近の動きが分からず、出し直しになります。申込みのたびに新しく記帳して写しを作ってください。全口座を求められたら、入金の口座以外も全部出します。
通帳のコピーは、出し方を間違えると、審査に時間がかかるだけでなく、取引そのものが成り立たなくなることがあります。次の失敗はとくに避けてください。
見せたくない行、ちょっと隠しちゃだめ?
隠すと、かえって確認が増えるよ。気になる行は先に一言伝えれば足りる。書き換えは罪にもなりうるから、しないでね。
数字や名義を書き換える
入金の額を増やす、振込人の名義を書き換える、ない入金を書き足す、といった加工はしてはいけません。銀行が作った明細を書き換えて使うことは、刑法の文書の偽造・変造や、それを使ってお金を受け取る詐欺の罪に当たるおそれがあります※1。ファクタリング会社は、売掛先への確認や、ほかの書類との突き合わせで食い違いに気づきます。
古いコピーを使い回す
前に別の会社に出したコピーを、そのまま使い回すのも避けます。最後の記帳の日が古いと、直近の入金や出金が分からず、出し直しを求められます。申込みのたびに、前日か当日に記帳した新しい写しを作ってください。
入金の口座だけを出して、ほかの口座を出さない
全部の口座を求められているのに、入金の口座だけを出すと、あとでほかの口座の存在が分かったときに、信用を失います。求められた範囲は全部出し、口座ごとに何に使っているかを一言添えます。
通帳の原本・キャッシュカード・暗証番号を渡す
通帳の「写し」ではなく、通帳の原本やキャッシュカード、ネットバンキングのパスワードや暗証番号を預けるよう求める業者には、応じないでください。まともなファクタリング会社が、利用者の口座を自由に動かせる状態を求めることはありません。金融庁は、ファクタリングを装って高い金利でお金を貸す業者に注意を呼びかけています※2。見分け方は危ないファクタリング業者の見分け方で説明しています。
出したコピーの扱いを確かめない
通帳のコピーには、取引先の名前や金額など、自社だけでなく取引先の情報も載っています。申し込む前に、出した書類をどう保管するか、契約しなかったときに消してもらえるかを聞いておくと安心です。メールで送るなら、宛先を間違えないよう、ファクタリング会社の公式サイトに載っている窓口に送ってください。
同じ請求書をほかの会社にも出している
見積もりを比べるために複数の会社に申し込むのは問題ありません。ただし、契約するのは1社だけです。同じ請求書を2社に売ると二重譲渡になり、どちらの会社とも大きなトラブルになります。見積もりを頼んだ会社と、契約した会社を、請求書ごとに書き出しておきます。
この章の根拠(2件)
- 刑法159条・161条・246条
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
通帳を出したくないとき・ほかの方法
どうしても口座を見せたくないなら?
通帳なしで使える会社はほとんどありません。3社間なら売掛先が債権を認めるぶん比重は下がりますが、書類が不要になるとは限りません。取引先の早期支払いや支払日の相談も比べてみてください。
口座の中身を見せることに抵抗があっても、通帳を出さずに使えるファクタリング会社はほとんどありません。図鑑のデータで通帳を挙げていない11社には、決算書や取引先との契約書、手形の写しなど、ほかの書類で判断する会社が多く含まれていました。通帳を出したくない場合は、次のような方法も比べてみてください。
- 3社間のファクタリングを使う:売掛先の承諾を得て、売掛先から直接ファクタリング会社に払ってもらう方法です。売掛先が債権の存在を認めるため、通帳での確認の比重は下がりますが、書類が不要になるとは限りません。違いは2社間と3社間の違いで説明しています。
- 取引先に支払日を早めてもらう:取引先の早期支払いの制度を使うか、支払日を早められないか相談します。
- 融資を使う:融資でも通帳や決算書は求められますが、手数料に比べて費用は低いのが一般的です。日数はかかるので、支払日まで余裕があるときの選択肢です。
どの方法が間に合うかは、お金が必要な日までの日数で変わります。条件から使える方法を探すなら資金調達診断を、通帳の求め方を含めて会社ごとの必要書類を見るならファクタリング会社の図鑑を使ってください。各社のページの「必要書類」の欄に、公式サイトの表記をそのまま載せています。
出典(3件)公的機関の資料・法令。2026.11.05に確認
- ファクタリングの利用に関する注意喚起(金融庁)www.fsa.go.jp
- 刑法(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp
- ファクタリング図鑑(会社ごとの必要書類と出典)facto-ring.com
FAQ
よくある質問
ファクタリングで通帳のコピーは何か月分必要ですか?
会社によって違いますが、ファクタリング図鑑で期間を書いている41社のうち29社が3か月分でした。3か月より長い期間を求める会社も11社あり、6か月分の会社が5社あります。まず直近3か月分を用意し、売掛先からの入金がその期間にないなら、入金が載っている月までさかのぼって出してください。
なぜファクタリングで通帳を見せる必要があるのですか?
売る請求書の売掛先から、これまで実際に入金があるかを確かめるためです。請求書は自社で作れる書類ですが、通帳の入金の記録は銀行が残した記録なので、取引の裏付けになります。あわせて、口座の名義が申込者と同じか、ほかのファクタリング会社への精算や借入れの返済がないかも見られます。
ネット銀行で紙の通帳がない場合はどうすればいいですか?
ネットバンキングの入出金明細をPDFで保存するか、画面の写しを出します。銀行名・口座番号・名義・期間が伝わる形にし、明細の画面に名義が出なければ口座情報の画面も足します。図鑑で「Web通帳可」と明記する会社は7社ですが、書いていない会社でも受け付けることがあるので、申込み時に形式を確かめてください。
通帳の見せたくない取引を消して出してもいいですか?
黒く塗る、切り取るといった加工は避けてください。担当者から何を隠しているのか分からず、確認が増えたり断られたりする原因になります。気になる行は「私的な支払いです」と先に伝えれば足ります。数字や名義を書き換えることは、刑法の文書の偽造・変造や詐欺の罪に当たるおそれがあります。
通帳に売掛先からの入金がない場合でもファクタリングできますか?
初めての取引先なら、契約書・発注書・納品書・やり取りのメールで取引を示せば申し込める場合があります。入金を別の口座で受けているならその口座の明細を、手形やでんさいで払われているならその記録を出します。過去の入金がないぶん慎重に見られ、手数料が高めに出ることがあります。
すべての口座の通帳を出す必要はありますか?
図鑑のデータでは、保有するすべての口座の明細を求める会社が10社ありました。入金の口座だけでは、ほかの口座での借入れの返済やファクタリングの精算が分からないためと考えられます。求められた範囲は全部出し、口座ごとに何に使っているかを一言添えると説明が短く済みます。
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