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会計更新 2026.10.17

売掛金の回収方法|払ってくれないときの催促・内容証明・裁判の手順と費用

ハカセ
結論

売掛金の回収は、確認と催促、内容証明、裁判所の手続き、差押えと、期限を区切って1段ずつ進めます。払われない理由ごとの選び方、内容証明の書き方、100万円で約1万3千円の実費、相手が倒産しそうなときの動き方を説明します。

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フファクタリング図鑑編集部(執筆)・公開 2026.10.17

売掛金の回収方法|払ってくれないときの催促・内容証明・裁判の手順と費用

納品も請求も済んだのに、取引先が売掛金を払ってくれない。催促しても「来月には」と言われ続けている。そんなときに、何を、どの順番で、いくらかけて進めるかをまとめました。電話やメールでの確認から、内容証明郵便、裁判所の手続き、差押え、相手が倒産しそうなときの動き方まで、段階ごとに説明します。

この記事を7枚で

1 / 7
確かめる催促内容証明裁判所差押え期限を区切って、1段ずつ上げる払われなければ次の段へ

この記事の流れ

売掛金の回収は、
1段ずつ上げる

この記事で何がわかるの?

払ってくれない売掛金は、確かめる→催促→内容証明→裁判所→差押えの順に、期限を区切って進めます。理由の見きわめ方、費用、倒産しそうなときの動き方を7枚で説明します。

うっかり→ 確認の連絡で済む中身に不満→ 話し合い・調停・訴訟お金が足りない→ 分割払いの合意払う気がない→ 早めに次の段階へ

POINT 1

まず払われない理由を見る

催促する前に、何を見ればいい?

うっかりなのか、中身に不満があるのか、お金が足りないのか、払う気がないのか。理由によって効く手段が違います。証拠と相手の登記・口座も先にそろえます。

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内容証明+配達証明 1,420円 時効が止まるのは 6か月 もう一度送っても 延びない 1枚の場合

POINT 2

内容証明は最後の通知

内容証明を送ると、何が残るの?

送った内容と届いた日を郵便局が証明します。配達証明つき1枚で1,420円です。時効が止まるのは6か月だけで、その間に裁判所の手続きをとります。

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手数料は100万円・電子の場合支払督促言い分が無い相手7,500円少額訴訟60万円以下・1回60万円で7,400円民事調停話し合いで分割5,000円+郵便料訴訟言い分が食い違う11,400円

POINT 3

裁判所の手続きは4つ

裁判所の手続きは、どう選ぶの?

言い分が無い相手には支払督促、60万円以下なら少額訴訟、話し合えそうなら民事調停、食い違うなら訴訟です。費用より、相手の出方に合うかで選びます。

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内容証明から差押えまでの手数料10万円8,420円請求額の8.4%100万円12,920円請求額の1.3%300万円17,920円請求額の0.6%

POINT 4

100万円なら12,920円

全部自分でやると、いくらかかるの?

内容証明から督促の手続き、預金の差押えまで自社で進めた手数料の合計です。100万円で請求額の1.3%、10万円では8.4%になります。郵便料などは別です。

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財産開示 相手に述べさせる 2,000円 情報取得 銀行などに答えさせる 1,000円

POINT 5

口座がわからないとき

相手の口座がわからないときは?

判決などを取っても払われなければ差し押さえます。口座がわからないときは、財産開示(2,000円)と銀行などからの情報取得(1,000円)で調べられます。

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止める出荷と新しい取引相殺買掛金と差し引く合意商品は合意して引き取る仮差押え財産を仮に押さえる

POINT 6

倒産しそうなら早めに

相手が倒産しそうなら、どうする?

まず出荷を止め、未回収を増やさないこと。買掛金があれば相殺し、商品は合意して引き取ります。無断で持ち出すと窃盗になるおそれがあります。

この章を読む
01

結論:売掛金の回収は「確かめる→催促→内容証明→裁判所→差押え」と、期限を区切って1段ずつ上げる

社長

取引先が払ってくれない……。いきなり裁判しかないの?

いいえ。確かめる→催促→内容証明→裁判所→差押えと、期限を区切って1段ずつ上げます。多くの未払いは、催促か内容証明の段階で入金や分割払いの相談につながります。

ハカセ

売掛金の回収は、いきなり裁判を起こすものではありません。まず自社の請求に間違いがないか、相手がなぜ払わないのかを確かめます。そのうえで、相手の反応を見ながら期限を決めて、1段ずつ強い手段に進めます。

段階を上げるたびに、相手には「本気で回収するつもりだ」と伝わります。多くの未払いは、催促か内容証明の段階で入金や分割払いの相談につながります。それでも払われないときに、裁判所の手続きで「差し押さえできる書面」(債務名義)を取り、相手の預金や売掛金を差し押さえます。※1

進め方を決めるのは、次の3つです。

  • 相手に言い分があるか:納品や金額に異論が無ければ書面だけで進む手続き、異論があれば話し合いか裁判で決着をつけます。
  • 金額:60万円以下なら、原則1回の期日で終わる裁判も選べます。金額が小さいほど、費用と手間が見合うかを先に考えます。
  • 相手にお金が残っているか:倒産しそうなら、順番を待たずに相殺や仮差押えを考えます。倒産の手続きに入ったら、個別の取り立てはできません。

この記事は、まず確かめること、6つの段階と次に進む目安、内容証明の書き方、裁判所の手続きの選び方、差押えと財産の調べ方、100万円の回収にかかる実費、倒産しそうなとき、自分で回収しない方がよい場合、よくある失敗の順に進みます。

売掛金の回収の6つの段階(払われないときに次へ進む)
  1. 期限の翌営業日確かめる自社の請求書と入金の記録、相手の事情
  2. 1〜3週間催促するメール・電話・督促状で、新しい期限を伝える
  3. 新しい期限の後内容証明で請求する送った内容と届いた日を残す。時効も6か月止まる
  4. 回答期限の後裁判所の手続き支払督促・少額訴訟・民事調停・訴訟から選ぶ
  5. 書面が取れたら差し押さえる預金や、相手が持つ売掛金を押さえる
  6. どの段階でも話がつけば合意書分割払いなら、遅れたときの決まりを書く
この章の根拠(1件)
  1. 民事執行法22条
02

回収の前に確かめること:払われない理由と、相手の情報

社長

催促する前に、やっておくことはある?

払われない理由を見きわめます。うっかり、中身への不満、お金が足りない、払う気がない、で効く手段が違います。契約書や納品書、相手の登記、振込元の口座も先にそろえましょう。

ハカセ

回収を始める前に、払われない理由を見きわめます。理由によって、効く手段が違うからです。

払われない理由 よくある様子 効く手段
うっかり・社内の手続き 請求書が担当者で止まっている、検収が終わっていない 確認の連絡で済むことが多い
中身に不満がある 「納品物に不具合がある」「金額が違う」と言われる 話し合い。まとまらなければ調停か訴訟
お金が足りない 「来月まとめて」「少しずつなら」と言う 分割払いの合意。悪化していれば相殺や仮差押えも
払う気がない 電話に出ない、返事をしない 内容証明から裁判所の手続きへ早めに進む

表のとおり、「中身に不満がある」相手に書類だけの手続きを使うと、反論されて手間が増えます。反対に「払う気がない」相手には、催促を何度も繰り返すより、早く次の段階に進んだ方が回収できる見込みが高まります。

集めておく証拠

裁判所の手続きでは、売掛金があることを書類で示します。相手と話がこじれる前に、手元の記録をそろえておきます。

回収を始める前にそろえるもの
  • 契約書・発注書・注文請書何を、いくらで、いつまでに払う約束か
  • 納品書・検収書・作業報告約束どおりに納めた証拠
  • 請求書の控え請求日・金額・支払期限・振込先
  • やりとりの記録メール・電話のメモ。相手が支払いを認めた言葉
  • 相手の登記事項証明書正しい商号・本店・代表者(法務局で取れる)
  • 相手の口座・取引先振込元の銀行・支店、相手の主な売り先

最後の「相手の口座・取引先」は、差押えのときに効いてきます。預金を差し押さえるには、原則として銀行と支店を書いて申し立てるからです。入金があった頃の振込元を控えておくと、後で調べる手間が省けます。

時効までの残りを数える

売掛金は、支払期限から5年で時効にかかります。※1何年も前の請求書が混ざっていないか、いちばん古い支払期限から確かめます。時効が近いときの止め方は、後の「数字で確かめる」の章で日付を使って説明します。

この章の根拠(1件)
  1. 民法166条1項1号
03

売掛金の回収方法:6つの段階と、次に進む目安

社長

どのくらい待ったら、次の手に進めばいいの?

未払いが起きる前に社内で決めておきます。誰が決めるか、何日で次に進むか、記録をどこに残すかの3つです。たとえば「新しい期限から7日で内容証明」のように日数を決めます。

ハカセ

回収の手段を、弱いものから順に並べると次のようになります。費用は、令和8年5月21日以降の手数料で、請求額100万円の場合です。

段階 やること かかる費用(100万円) 次に進む目安
1. 確かめる 自社の記録の確認、担当者への連絡 0円 原因がわかり、払う日が決まらないとき
2. 催促する メール・電話・督促状 0円〜郵便代 新しい期限を過ぎても入金がないとき
3. 内容証明 回答期限を書いた請求書を内容証明で送る 1,420円(1枚・配達証明つき) 回答期限を過ぎたとき
4. 裁判所 支払督促・少額訴訟・民事調停・訴訟 7,500円〜11,400円が目安 書面が取れても払われないとき
5. 差押え 預金・相手の売掛金などを差し押さえる 4,000円+郵便料 押さえる財産が見つからないとき
6. 財産を調べる 財産開示・銀行などからの情報取得 2,000円・1,000円+郵便料など —

費用だけを見れば、どの段階も数千円から1万円台です。回収で重いのは費用より、待つ時間と手間です。だからこそ、それぞれの段階で「いつまで待つか」を先に決めておきます。

段階を上げる判断は、社内で先に決めておく

回収が遅れる会社の多くは、手段を知らないのではなく、次に進む決め手がないまま時間が過ぎています。取引先との関係を気にして、担当者が一人で抱え込むこともあります。次の3つを、未払いが起きる前に決めておくと迷いません。

  • 誰が決めるか:内容証明より先は、担当者ではなく社長か責任者が判断する。
  • 何日で次に進むか:たとえば「新しい期限から7日で内容証明、その回答期限から7日で裁判所」。
  • 記録をどこに残すか:連絡した日・相手の答え・約束した支払日を、1つの表にまとめる。

日付と記録がそろっていれば、裁判所に出す書類もそのまま作れます。

1〜2段階目:確認と催促は、日付を決めて進める

支払期限の翌営業日に入金を確かめ、なければ担当者に連絡します。次にメールで新しい期限を伝え、電話、督促状と進めます。最初の連絡から督促状まで、3〜4週間を目安にします。メールや督促状の文例、送る日の決め方は請求書の未払いの催促にまとめています。

相手が「一度には払えない」と言ってきたら、分けて払ってもらう合意を書面にします。合意書の最初に「支払う義務があることを認める」と書いてもらうと、時効が数え直しになります。※1公証役場で「強制執行認諾文言」付きの公正証書にしておけば、約束が破られたときに裁判を経ずに差押えができます。※2

3段階目:内容証明は「最後の通知」として送る

内容証明郵便は、いつ、どんな文書を送ったかを郵便局が証明する郵便です。送ったこと自体に、相手に払わせる力はありません。それでも、次の段階に進む前の区切りとして意味があります。書き方は次の章で説明します。

4〜6段階目:裁判所の手続きと差押え

内容証明の回答期限を過ぎても払われなければ、裁判所の手続きに進みます。どの手続きを選ぶかは後の章の分かれ道で、差押えと財産の調べ方はその次の章で説明します。

なお、自社が取適法(中小受託取引適正化法、2026年1月に下請法から変わった法律)の対象となる受注者なら、支払いの遅れは発注者に禁じられた行為です。公正取引委員会や中小企業庁に知らせることもできます。対象かどうかと相談の手順は取適法(旧下請法)とはで確かめてください。

この章の根拠(2件)
  1. 民法152条1項
  2. 民事執行法22条5号
04

内容証明郵便の書き方と送り方:書く項目・字数の決まり・届かないとき

社長

内容証明って、普通の手紙と何が違うの?

送った内容と届いた日を郵便局が証明します。字数と行数に決まりがあり、縦書きなら1行20字以内・1枚26行以内です。脅すような言い方はせず、回答期限と振込先を事実として書きます。

ハカセ

内容証明は、督促状と中身は似ていますが、形式に決まりがあります。郵便局の窓口で受け付けてもらえないことがないよう、送る前に確かめます。

書く項目

  1. 表題:「請求書」「催告書」など。
  2. 請求の中身:取引の内容、請求書番号、請求日、金額、当初の支払期限。
  3. これまでの催促:メールや電話、督促状で求めた日付。
  4. 回答期限と振込先:届いてから1週間〜10日ほど先の日付と、口座。
  5. 払われないときの対応:「期限までにお支払いがない場合は、法的な手続きをとります」と、事実として書く。
  6. 日付・差出人・宛先:相手は登記どおりの商号と代表者名にする。

文面の例を挙げます(横書き・1行20字以内に収める前の形です)。

催告書

貴社に対し、2026年10月31日付け請求書(No.2026-1105)により、業務委託代金1,000,000円(税込)を、支払期限2026年11月30日として請求しました。しかし、本日まで入金がありません。当社は12月2日・12月8日にメールで、12月16日に督促状でお支払いを求めました。

つきましては、本書到達後10日以内に、下記口座へお振込みください。期限までにお支払いがない場合は、法的な手続きをとります。

(振込先・日付・差出人・宛先)

脅すような言い方や、相手の信用を落とす書き方はしません。強い言葉を使っても回収の力は増えず、かえって相手に反論の材料を与えます。

字数と行数の決まり

郵便局に出す「謄本」(控えの写し)には、字数と行数の決まりがあります。※1

書き方 1行の字数 1枚の行数
縦書き 20字以内 26行以内
横書き(次のどれか) 20字以内/13字以内/26字以内 26行以内/40行以内/20行以内

記号は1字、かっこは上下(横書きなら左右)をまとめて1字と数えます。「%」は1字、「kg」は2字です。2枚以上になるときは、つづり目に差出人の印で契印を押します。訂正するときは、元の字が読めるように残し、字数と箇所を余白に書いて押印します。※1

送り方と費用

本文1通と、同じ内容の謄本2通(自社の控えと郵便局の保管用)、宛名を書いた封筒を、内容証明を扱う郵便局の窓口に出します。インターネットで24時間受け付ける「e内容証明」もあります。※2

費用は、郵便料金110円に、一般書留480円、内容証明480円(2枚目から1枚290円)を足した額です。相手が受け取った日を残すため、配達証明(350円)も付けます。1枚なら1,420円、2枚なら1,710円、3枚なら2,000円です。※3郵便局が保管する謄本は、出した日から5年以内なら見せてもらえます。

受け取ってもらえないとき

相手が受け取りを拒んだり、不在のまま保管期間が過ぎたりして、内容証明が戻ってくることがあります。そのときは、同じ文面を普通郵便とメールでも送り、送った記録を残します。相手が受け取らないこと自体が、裁判所の手続きに進む理由になります。

内容証明の効き目と限界

内容証明で請求すると、そこから6か月は時効が完成しません。ただし、その6か月の間にもう一度送っても、期間は延びません。※4時効を止めるのは一度きりの「時間かせぎ」と考え、その間に裁判所の手続きをとります。

この章の根拠(4件)
  1. 日本郵便「内容証明 ご利用の条件等」
  2. 日本郵便「内容証明」
  3. 日本郵便「料金表(オプションサービス)」
  4. 民法150条
05

裁判所の手続きの選び方:支払督促・少額訴訟・民事調停・訴訟

社長

裁判所の手続きって、どれを選べばいいの?

相手に言い分が無ければ支払督促、60万円以下で1回で決着させたいなら少額訴訟、話し合えそうなら民事調停、食い違うなら訴訟です。手数料はどれも1万円前後なので、相手の出方で選びます。

ハカセ

売掛金の回収に使う裁判所の手続きは、主に4つです。どれも、うまくいけば差押えの根拠になる書面が手に入ります。違いは、相手が反論したときにどうなるか、金額の上限、裁判所に行く回数です。

手続き 向いている場面 手数料(100万円) 裁判所に行く回数
支払督促 相手に言い分が無い。金額の上限なし 電子7,500円・書面7,700円 0回(異議が出れば訴訟へ)
少額訴訟 60万円以下。1回で決着させたい 60万円なら電子7,400円 原則1回
民事調停 相手と話し合えば分割などで合意できそう 5,000円+郵便料 2〜3回の期日が多い
通常の訴訟 言い分が食い違っている。金額が大きい 電子11,400円・書面12,500円 争いの度合いによる

令和8年5月21日からは、訴えと支払督促の手数料に郵便費用が含まれるようになり、原則としてペイジーで納めます。※1手数料は、どの手続きでも1万円前後です。選ぶときは費用より、相手の出方に合うかを見ます。

どの手続きを使うか(売掛金の場合)
  1. 納品や金額について、相手に言い分がある?はい → 話し合えそうなら民事調停、無理なら訴訟いいえ → 次へ
  2. 相手の住所(本店)はわかっていて、書類が届く?はい → 次へいいえ → 支払督促は使えない。訴訟を考える
  3. 請求額は60万円以下で、1回で決着させたい?はい → 少額訴訟も候補(自社の近くの裁判所でも起こせる)いいえ → 支払督促

支払督促:言い分の無い相手には、書面だけで

相手が「払うべきお金だ」と認めながら放っている売掛金なら、まずこれを選びます。裁判所に出向かずに済み、請求額の上限もありません。ただ、相手に反論されると訴訟に切り替わり、相手の地元の裁判所で争うことになります。申立書の書き方や期限、反論されたときの動き方は支払督促とはで詳しく説明しています。

少額訴訟:60万円以下を1日で決着させる

請求が60万円以下なら、原則として最初の期日で審理を終え、その場で判決まで進む特別な訴訟を選べます。※2使えるのは同じ簡易裁判所で年10回までです。※3その場で調べられる証拠しか出せないため、契約書・納品書・請求書・やりとりの記録を、初日にすべて持っていきます。※4

勝っても、相手の事情を考えて、最長3年の分け払いや支払時期の先送りが判決に付くことがあります。※5一括で受け取りたいなら、この点を知ったうえで選びます。

民事調停:話し合いで分割払いをまとめる

調停委員を交えて話し合い、合意をめざす手続きです。原則として相手の住所地の簡易裁判所に申し立てます。通常は2〜3回の期日で、おおむね3か月以内に終わります。※6合意すると調停調書が作られ、確定判決と同じ効力を持ちます。相手が「払う気はあるが一度には払えない」場合に向いています。

通常の訴訟:争いがあるときの本筋

言い分が食い違っているときは、訴訟で決着をつけます。140万円以下は簡易裁判所、超えると地方裁判所です。※7地方裁判所の民事の第一審は、令和4年の平均で10.5か月かかっています。※8時間がかかるぶん、途中で和解して分割払いで終わることもよくあります。

この章の根拠(8件)
  1. 裁判所「手数料額早見表」・裁判所「少額訴訟」
  2. 民事訴訟法370条1項・374条1項
  3. 民事訴訟法368条1項
  4. 裁判所「少額訴訟」
  5. 民事訴訟法375条1項
  6. 裁判所「民事調停」
  7. 裁判所法33条1項1号
  8. 最高裁判所「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第10回)概要」
06

判決などを取った後:差押えと、相手の財産がわからないときの調べ方

社長

判決を取っても払われなかったら、どうするの?

預金や、相手が持つ売掛金を差し押さえます。口座がわからないときは、財産開示(2,000円)や、銀行などからの情報取得(1,000円)で調べられます。

ハカセ

判決などの債務名義を取っても、相手が自分から払うとは限りません。払わなければ、相手の財産を差し押さえて回収します。※1

何を差し押さえるか

  • 預金:いちばん使われます。銀行と支店を特定して申し立て、差し押さえた額の範囲で、銀行から直接受け取れます。
  • 相手が持っている売掛金:相手の取引先(第三債務者)に対する売掛金を差し押さえ、その取引先から払ってもらいます。相手の主な売り先を知っていると強い手段です。
  • 不動産・動産:手続きに時間と費用がかかるため、売掛金の回収では最後の手段になりがちです。

預金を差し押さえるときの流れは、次のとおりです。

  1. 申し立てる:相手の住所地の地方裁判所に、債務名義(判決や仮執行宣言付きの支払督促)と、送達されたことの証明書を付けて出します。※2
  2. 差押命令が出る:銀行(第三債務者)と相手に届きます。銀行に届いた時から、銀行は相手に払い戻せなくなります。※3
  3. 取り立てる:相手に命令が届いてから1週間たつと、銀行から直接受け取れます。※4

債権の差押えの申立ての手数料は4,000円で、郵便料などが別にかかります。※5

財産がわからないときの2つの手続き

差し押さえようにも、相手の口座がわからないことがあります。そのときに使えるのが、次の2つです。どちらも、わかっている財産を差し押さえても全額を回収できない(または見込みがない)ことが条件です。※6

手続き 中身 手数料
財産開示手続 相手(会社なら代表者)を裁判所に呼び、財産を述べさせる 2,000円
第三者からの情報取得 裁判所から銀行などに、相手の預金の有無と支店・残高を答えさせる 1,000円

財産開示の期日に正当な理由なく来なかったり、うそを述べたりすると、6か月以下の拘禁刑か50万円以下の罰金の対象です。※7預金の情報取得は、財産開示を先に済ませなくても申し立てられます。相手が使っていそうな銀行を複数選んで申し立て、見つかった口座を差し押さえる、という順に進めます。

この章の根拠(7件)
  1. 民事執行法22条
  2. 民事執行法29条・144条1項
  3. 民事執行法145条5項
  4. 民事執行法155条1項
  5. 民事訴訟費用等に関する法律 別表第一 九の項イ
  6. 民事執行法197条1項・207条1項
  7. 民事執行法213条1項5号・6号
07

数字で確かめる:100万円の回収にかかる実費と、時効の期限

社長

裁判までやると、お金がかかるんじゃない?

自社で進めれば、100万円の請求で内容証明から預金の差押えまで12,920円、請求額の1.3%です。ただ、内容証明で時効が止まるのは6か月だけなので、その間に裁判所に申し立てます。

ハカセ

「裁判は高い」と思われがちですが、自社だけで進めれば、手数料は思ったより小さく済みます。ここでは、内容証明(1枚・配達証明つき)を送り、督促の手続きを電子で申し立て、預金の差押えまで進んだ場合の手数料を、請求額ごとに計算しました。郵便料などは裁判所ごとに違うため含めていません。

請求額 督促の手数料 差押えまでの合計(請求額に対する割合) 60万円以下の訴えで同じところまで
10万円 3,000円 8,420円(8.4%) 7,820円(7.8%)
30万円 4,000円 9,420円(3.1%) 9,820円(3.3%)
60万円 5,500円 10,920円(1.8%) 12,820円(2.1%)
100万円 7,500円 12,920円(1.3%) 使えない
300万円 12,500円 17,920円(0.6%) 使えない

100万円なら、内容証明1,420円、督促7,500円、差押え4,000円で、合計12,920円です。請求額の1.3%にあたります。一方、10万円では合計8,420円で8.4%になり、訴えを選んだ方が600円安く済みます。

内容証明から預金の差押えまで自社で進めたときの手数料(督促は電子で申し立てた場合)

手数料の合計

  1. 10万円8,420円
  2. 30万円9,420円
  3. 60万円10,920円
  4. 100万円12,920円
  5. 300万円17,920円

請求額に対する割合

  1. 10万円8.4%
  2. 30万円3.1%
  3. 60万円1.8%
  4. 100万円1.3%
  5. 300万円0.6%

合計額(円)請求額に対する割合

この計算からわかるのは、裁判所に納める費用は、金額が大きいほど割合で見て小さくなるということです。逆に、10万円前後の売掛金を弁護士に頼むと、報酬が回収額を上回ることがあります。小さな金額ほど、自社で進める段取りを知っておく価値があります。

時効の期限:内容証明で稼げるのは6か月だけ

支払期限が2026年11月30日の売掛金なら、時効の目安は5年後の2031年11月30日です。※1期限が迫った2031年10月15日に内容証明が届いたとすると、そこから6か月後の2032年4月15日までは時効が完成しません。※2この間に裁判所に申し立てれば、手続きが終わるまで時効は止まります。※3

反対に、この6か月の間にもう一度内容証明を送っても、期限は延びません。相手が一部でも払ったり、支払う義務を認める書面に署名したりすれば、そこから5年を数え直せます。※4古い売掛金ほど、催促と並行して「承認」を取ることを意識します。

この章の根拠(4件)
  1. 民法166条1項1号
  2. 民法150条1項
  3. 民法147条1項
  4. 民法152条1項
08

相手が倒産しそうなとき・倒産したときの動き方

社長

相手が倒産しそうなときは、どう動けばいい?

まず出荷を止め、未回収を増やさないことです。買掛金があれば相殺し、商品は合意して引き取ります。相手の倉庫から無断で持ち出すと、自社の商品でも窃盗になるおそれがあります。

ハカセ

支払いの遅れが続く、連絡がつきにくい、急に支払条件を変えてほしいと言われる。こうした様子があれば、相手の資金繰りが悪化しているかもしれません。順番どおりに段階を踏んでいる間に、相手の財産がなくなることもあります。次の手を、早めに打ちます。

倒産しそうなときにできること

  1. 出荷と新しい取引を止める:未回収の額をこれ以上増やさないことが先です。続けるなら、前払いか代金引換に切り替えます。
  2. 相殺する:自社が相手から仕入れていて買掛金があるなら、売掛金と差し引きできます。どちらも支払期限が来ていれば、相手への通知だけでできます。※1相手の売掛金が第三者に差し押さえられた後に得た債権では、原則として相殺できないため、早めに動きます。※2
  3. 担保や保証を求める:支払いを待つ条件として、代表者の連帯保証や、相手の持つ売掛金の譲渡を受けることを話し合います。
  4. 納めた商品を返してもらう:代金をもらっていない商品は、相手と合意して引き取ります。相手の倉庫から無断で持ち出すと、自社の商品でも窃盗になるおそれがあります。※3
  5. 仮差押えをする:裁判を待つ間に相手が財産をなくしそうなら、預金などを仮に押さえておく手続きがあります。申立ての手数料は2,000円ですが、裁判所が求める担保(保証金)を用意する必要があります。※4担保の額は事案ごとに裁判所が決めるため、弁護士に相談して進めるのが現実的です。

商品を売った代金なら、その商品について「動産売買の先取特権」という優先権があります。ただし、相手がその商品を第三者に引き渡した後は使えません。※5

駆け込みの回収には落とし穴がある

相手が支払えない状態だと知りながら、自社だけ先に払ってもらうと、後で相手が破産したときに、管財人から返すよう求められることがあります。※6特定の取引先だけが得をする回収は、ほかの債権者との公平の観点から取り消されうる、と覚えておきます。

倒産の手続きに入ったら

破産の手続きが始まると、個別に取り立てることはできなくなります。裁判所から届く通知に従い、決められた期間内に債権を届け出て、配当を待ちます。※7取引先の倒産に備える制度には、掛金を積み立てておくと無担保・無保証人で借りられる経営セーフティ共済(倒産防止共済)があります。新しい取引先の信用を事前に調べる方法は与信管理とはで説明しています。

この章の根拠(7件)
  1. 民法505条1項・506条1項
  2. 民法511条1項
  3. 刑法235条・242条
  4. 民事保全法14条・20条
  5. 民法311条5号・321条・333条
  6. 破産法162条1項
  7. 破産法100条1項・111条1項
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自分で回収しない方がよい場合と、ほかの方法

社長

自分でやらずに、だれかに任せたほうがいいときは?

訴訟になりそうなときや、仮差押えなど急ぐときは弁護士などに相談します。弁護士でない者が報酬をもらって取り立てるのは法律で禁じられているので、「回収代行」業者には頼みません。

ハカセ

ここまでの手続きは、自社だけでも進められます。ただし、次のような場合は専門家に任せるか、回収とは別の手を考えます。

弁護士・司法書士に頼んだ方がよい場合

  • 相手の言い分と真っ向から食い違い、訴訟になりそうなとき:主張と証拠の組み立てが結果を左右します。
  • 仮差押えなど、急ぎで判断が要るとき:担保の準備や申立書の作成に専門の知識が要ります。
  • 金額が大きく、相手の財産を探す必要があるとき:財産開示や情報取得の段取りを任せられます。

請求額が140万円以下なら、法務大臣の認定を受けた司法書士(認定司法書士)も、簡易裁判所の手続きで代理できます。※1費用が心配なときは、法テラス(日本司法支援センター)の無料の法律相談も使えます。

「回収代行」をうたう業者には頼まない

弁護士でない者が、報酬をもらって他人の売掛金の取り立てや交渉を仕事として行うことは、法律で禁じられています。※2売掛金を買い取って取り立てることを仕事にするのも同じです。※3「成功報酬で回収します」と勧誘されたら、相手が弁護士か、法務大臣の許可を受けた債権回収会社(サービサー)かを確かめます。

入金を待てないとき

回収には、うまくいっても数週間から数か月かかります。その間に自社の支払いが迫っているなら、回収と資金繰りを分けて考えます。支払先への相談、税金や社会保険料の猶予、金融機関への相談の順番は資金繰りが苦しいときの対処の順番で説明しています。

もめている売掛金は、回収の見込みが読めないので、現金化の手段としては当てにしにくいものです。資金の手当ては、期限どおりに払ってくれている取引先の請求書や、融資など別の手段で考えます。どの方法が自社に合うかは資金調達診断で絞り込めます。

すでにファクタリングで売った売掛金のとき

譲り渡した売掛金は、もう自社のものではありません。取引先に譲渡を知らせている3社間の契約なら、請求するのは買い取った会社です。知らせていない2社間の契約では、自社が代わりに集金する約束になっていることが多く、取引先への請求の仕方も契約の定めに従います。どちらの形かで動き方が変わるので、2社間と3社間の違いを確かめてから連絡します。

この章の根拠(3件)
  1. 司法書士法3条1項6号・裁判所法33条1項1号
  2. 弁護士法72条
  3. 弁護士法73条
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売掛金の回収でよくある失敗と注意点

社長

やってしまいがちな失敗って何?

同じ催促を何か月も繰り返す、口約束の分割払いで済ませる、内容証明を何度も送って時効を延ばしたつもりになる、などです。相手の会社に押しかけると、脅迫や業務妨害に問われることもあります。

ハカセ
  • 催促を何か月も繰り返す:同じ言葉の催促を続けても、払う気のない相手は動きません。各段階の期限を決めて、過ぎたら次に進みます。
  • 口約束の分割払いで済ませる:回数・金額・遅れたときの決まりを書面にしないと、途中で止まったときに一から請求し直しです。
  • 宛名を請求書のまま書く:商号や本店が登記と違うと、内容証明や裁判所の書類が届かないことがあります。登記事項証明書で確かめます。
  • 内容証明を何度も送って時効を延ばしたつもりになる:時効を止めるのは最初の1回の6か月だけです。※1
  • 手続きを選ぶ前に、相手の言い分を聞いていない:不具合や値引きの主張があるのに書類だけの手続きを選ぶと、遠回りになります。最初の電話で、何に不満があるのかを聞いておきます。
  • 入金があった頃の記録を捨ててしまう:振込元の銀行や、相手の主な売り先は、差押えの段階で役に立ちます。通帳や入金明細は、回収が終わるまで残します。
  • 倒産しそうな相手への出荷を続ける:回収を急ぐより、未回収の額を増やさないことが先です。
  • 相手の会社に押しかける、取引先に言いふらす:脅迫や名誉毀損、業務妨害に問われることがあります。強い手段は、法律の手続きの中で使います。

売掛金の回収は、証拠をそろえ、相手の事情を見きわめ、期限を区切って1段ずつ進めれば、多くは自社だけで手を打てます。迷ったときは、時効と相手の財産がなくなる前に動くことを優先します。

この章の根拠(1件)
  1. 民法150条2項
出典(18件)公的機関の資料・法令。2026.10.17に確認
  1. 手数料額早見表(裁判所)www.courts.go.jp
  2. 少額訴訟(裁判所)www.courts.go.jp
  3. 民事調停(裁判所)www.courts.go.jp
  4. 支払督促(裁判所)www.courts.go.jp
  5. 裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第10回)概要(最高裁判所)www.courts.go.jp
  6. 内容証明(日本郵便)www.post.japanpost.jp
  7. 内容証明 ご利用の条件等(日本郵便)www.post.japanpost.jp
  8. 料金表(オプションサービス)(日本郵便)www.post.japanpost.jp
  9. 民法(第147条・第150条・第152条・第166条・第311条・第321条・第333条・第505条・第506条・第511条)(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp
  10. 民事訴訟法(第368条・第370条・第374条・第375条)(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp
  11. 民事執行法(第22条・第29条・第144条・第145条・第155条・第197条・第207条・第213条)(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp
  12. 民事保全法(第14条・第20条)(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp
  13. 民事訴訟費用等に関する法律(別表第一)(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp
  14. 破産法(第100条・第111条・第162条)(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp
  15. 刑法(第235条・第242条)(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp
  16. 弁護士法(第72条・第73条)(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp
  17. 裁判所法(第33条)(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp
  18. 司法書士法(第3条)(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp

FAQ

よくある質問

売掛金を払ってくれないときは、まず何をすればいいですか?

まず自社の請求書と入金の記録を見直し、相手の担当者に連絡して理由と支払日を確かめます。うっかりや社内の手続きの遅れなら、これで済むことが多いです。払う日が決まらなければ、メール・電話・督促状で新しい期限を伝え、それでも払われなければ内容証明、裁判所の手続きへと段階を上げます。

売掛金の回収は内容証明を送れば解決しますか?

内容証明は、送った内容と届いた日を郵便局が証明する郵便で、それ自体に払わせる力はありません。次の段階に進む前の区切りとして送ります。時効は届いてから6か月だけ止まり、その間にもう一度送っても延びません。回答期限を過ぎたら、裁判所の手続きに進みます。

売掛金の内容証明の費用はいくらですか?

郵便料金110円に、一般書留480円と内容証明480円(2枚目から1枚290円)を足した額です。受け取った日を残す配達証明350円を付けると、1枚で1,420円、2枚で1,710円になります。本文1通と謄本2通、宛名を書いた封筒を、内容証明を扱う郵便局の窓口に出します。e内容証明ならインターネットでも送れます。

売掛金を裁判で回収するといくらかかりますか?

令和8年5月21日以降の手数料で、100万円を電子で申し立てると、督促の手続きは7,500円、訴えは11,400円です。内容証明から督促の手続き、預金の差押え(4,000円)まで自社で進めると、手数料の合計は12,920円で請求額の1.3%です。郵便料などは裁判所ごとに別にかかり、弁護士に頼むときは報酬が加わります。

売掛金の未回収を防ぐために、相手が倒産しそうなときは何をすべきですか?

まず出荷と新しい取引を止め、未回収の額を増やさないことです。相手に買掛金があれば相殺し、代表者の保証や売掛金の譲渡を求めることも考えます。商品の引き取りは相手と合意して行い、無断で持ち出してはいけません。財産がなくなりそうなら、仮差押えを弁護士に相談します。

相手の口座がわからないと売掛金は回収できませんか?

判決などの債務名義があれば、裁判所の手続きで調べられます。財産開示手続(手数料2,000円)では相手を呼んで財産を述べさせ、第三者からの情報取得(手数料1,000円)では銀行などに預金の有無を答えさせます。わかっている財産では全額を回収できないことが条件です。

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