手数料更新 2026.11.07
ファクタリングの手数料を安くするには?下がる4つの条件と交渉の言い方
ファクタリングの手数料を安くする近道は、信用の高い売掛先・支払日の近い請求書・3社間を選び、取引の証拠をそろえて見積もりで示すことです。300万円で1%下げると3万円変わる計算と、交渉の言い方、してはいけない下げ方を示します。
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フファクタリング図鑑編集部(執筆)・公開 2026.11.07

この記事は、ファクタリングの見積もりを見て「手数料が高い」と感じた人や、これから見積もりを取る経営者・個人事業主に向けて書いています。手元の請求書のどれを売り、何を見せて何を言えば手数料が安くなりやすいかを、300万円・30日の1つの計算例で示します。
この記事を6枚で
1 / 6先に結論:効くのは「売掛先・期日・方式・書類」。交渉は材料を出して手取りで比べる
ファクタリングの手数料を安くする近道は、値引きを頼むことではありません。ファクタリング会社が「この請求書なら回収できる」と判断しやすい請求書を選び、その裏づけを出すことです。手数料は、会社が負う回収できないリスクと、審査の手間への見返りだからです。
効きやすいのは、次の4つです。上から順に、手数料への効き方が大きくなりやすいものを並べました。
- 売掛先:支払いの遅れがない、信用の高い取引先の請求書を選ぶ
- 期日:同じ取引先なら、支払日が近い請求書を選ぶ
- 方式:売掛先に承諾をもらえるなら、3社間の見積もりも取る
- 書類:取引が本物で、続いていることがわかる書類をそろえる
交渉で言うことは3つに絞れます。「材料を見せて、条件が変わるかを聞く」「他社の見積もりを手取り額で示す」「合わなければ見送ると伝える」です。そして比べる単位は、率ではなく振り込まれる額(手取り額)にそろえます。
手元の請求書でできることと、会社選びでできることを分けると、次の早見表になります。
| 手元の請求書でできること | 会社選びでできること |
|---|---|
| 信用の高い売掛先の請求書を選ぶ | 3社間に対応する会社を候補に入れる |
| 支払日の近い請求書を選ぶ | 売りたい額が最低額を下回らない会社を選ぶ |
| 必要な額だけ売る | 手数料以外の費用を書面で示す会社を選ぶ |
| 契約書・通帳など取引の証拠をそろえる | 2〜3社に同じ条件で見積もりを頼む |
手数料の相場(各社の公表値の分布)や、手数料が上下する要素の一覧はファクタリング手数料の相場で説明しています。この記事では、その要素を自分で動かして手数料を下げる方法に絞ります。
この記事で扱うことは次のとおりです。
- 手数料が下がりやすい請求書と方式の選び方
- 1%下げる・3社間にする・期日を短くすると、いくら変わるか
- 図鑑の197サービスで見る、交渉の前に知っておく数字
- 見積もりの前にそろえる材料5つ
- 電話・メールの言い方の見本
- やってはいけない下げ方
- 2回目以降・継続利用で下げる前に考えること
- 手数料が下がらないときのほかの方法
- よくある失敗
手数料が下がりやすい請求書と方式の選び方
売掛先が複数あり、手元に請求書が何枚かあるなら、どれを売るかで手数料は変わりえます。ここでは、手元の請求書から売る1枚を選ぶ順番を示します。
売る請求書を選ぶ5つの問い
- その月に足りない額はいくらか:支払いの予定から、不足額を先に出します。売るのは、不足額を手取りで満たす最小の組み合わせです。多く売るほど、払う手数料の額も増えます。
- 売掛先は誰か:支払いが遅れたことのない取引先、規模が大きく実在を確かめやすい取引先、国・自治体の請求書を先に考えます。個人あての請求書は扱わない会社もあり、扱っても率が上がりやすくなります。
- 支払日はいつか:同じ売掛先なら、支払日の近い請求書を選びます。会社がお金を立て替える期間が短く、その間に売掛先の状態が変わる心配も小さいからです。
- 取引は続いているか:初めての取引の請求書より、何か月も入金の記録がある取引先の請求書の方が、本物の取引だと示しやすくなります。
- 売掛先に知らせてよいか:知らせてよく、承諾をもらう時間もあるなら、3社間の見積もりも取ります。
5つの問いに答えると、候補は1〜2枚に絞れることが多いはずです。迷ったら、売掛先の信用を先に、支払日の近さを次に優先します。
例:3枚の請求書から選ぶ
今月の支払いに、手取りで140万円足りないとします。手元には次の3枚の請求書があります(売掛先と日数は説明のための例です)。
| 請求書 | 売掛先と取引 | 支払日 | 判断 |
|---|---|---|---|
| A:150万円 | 5年取引のある中堅の会社。入金の遅れなし | 25日後 | 第一候補。信用・期日・実績がそろう |
| B:200万円 | 今年取引を始めた小さな会社。入金の記録は1回 | 40日後 | 後回し。実績が浅く、期日も遠い |
| C:120万円 | 市役所 | 55日後 | Aで足りないときの予備。3社間の相談もしやすい |
Aを売れば、手数料が6%なら手取りは141万円で足ります。8%なら138万円で2万円足りませんが、その分は、Bをまとめて売るより、支払先に一部の支払日を相談する方が安く済むこともあります。いちばん額が大きいBを選びたくなりますが、必要額を超えるうえに、条件の悪い請求書なので率が上がりやすい1枚です。
3社間に切り替えるときの考え方
3社間ファクタリングは、売掛先に知らせて承諾をもらい、売掛先からファクタリング会社へ直接払ってもらう方式です。会社から見ると、利用者を通さずに代金が入るので回収の確かさが上がり、2社間より率が低くなりやすいとされます。
ただし、売掛先との関係や、承諾の手続きにかかる日数を考える必要があります。売掛先への頼み方と依頼文の例は2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いにまとめています。支払いの日に間に合わないなら、3社間にこだわらず、2社間の見積もりどうしを手取りで比べます。
金額は少なすぎず、多すぎず
審査や契約の手間は、請求書の金額にかかわらずある程度かかります。少額の請求書1枚だけを売ると、その手間の分が率に乗りやすくなります。同じ売掛先の請求書が何枚かあるなら、必要額に届くまでまとめて1回で売ると、手間の分が薄まります。
反対に、「まとめた方が率が下がる」と言われて必要額を超えて売るのは逆効果です。率が少し下がっても、売る額が増えた分だけ手数料の額が増えます。
債権譲渡登記に応じると下がるか
2社間で債権譲渡登記(売掛金を売ったことを法務局の記録に残す手続き)をすると、会社は同じ請求書を二重に売られる心配が減ります。そのため、登記に応じると率が下がる場合があると説明されることがあります。
ただし、登録免許税は債権の数が5,000個以下なら1件7,500円かかり、司法書士に頼めば報酬も加わります。登記をする場合としない場合で、それぞれ費用を引いた手取りを出してもらい、比べてから決めます。※1
この章の根拠(1件)
- 法務省「(債権譲渡登記等)添付書面・登録免許税」
数字で確かめる:1%下げる・3社間にする・期日を短くすると、いくら変わるか
条件を変えたときの差を、1つの例で確かめます。前提は、額面300万円の請求書を売り、売掛先の支払日まで30日あるとします。率は説明のための仮の値で、実際に出る見積もりの目安ではありません。
実質年率(1回の手数料を、年あたりの費用に直したもの)は「手数料額 ÷ 手取り額 ÷ 日数 × 365」で出します。計算のしかたは手数料の計算方法と実質年率で説明しています。
| 条件 | 手数料額 | 手取り額 | 実質年率 |
|---|---|---|---|
| 2社間・手数料10%・30日 | 30万円 | 270万円 | 約135% |
| 2社間・手数料9%・30日 | 27万円 | 273万円 | 約120% |
| 3社間・手数料5%・30日 | 15万円 | 285万円 | 約64% |
表からわかるのは、300万円の請求書で率を1%下げると、手数料は3万円減るということです。年率では約135%が約120%になります。2社間の10%から3社間の5%に変えられれば、手数料は15万円減り、年率は半分以下になります。
検算します。10%の行は、30万円÷270万円÷30日×365で約1.35、つまり約135%です。5%の行は、15万円÷285万円÷30日×365で約0.64、つまり約64%です。手元の数字で試すときは手数料と実質年率の計算を使えます。
今の見積もり1%下げた場合3社間にした場合
支払日の近い請求書に替えると
同じ売掛先に、支払日が30日後の請求書と、60日後の請求書があるとします。仮に、60日後の請求書には12%、30日後の請求書には10%の見積もりが出たとします。
| 売る請求書(どちらも300万円) | 手数料額 | 手取り額 | 実質年率 |
|---|---|---|---|
| 支払日が30日後・手数料10%・30日 | 30万円 | 270万円 | 約135% |
| 支払日が60日後・手数料12%・60日 | 36万円 | 264万円 | 約83% |
年率だけを見ると、60日後の請求書の方が軽く見えます。しかし払う手数料は6万円多く、手取りは6万円少なくなります。年率は、お金を使える期間が違う請求書どうしでは、そのまま比べられません。
今月の支払いに間に合わせるのが目的なら、比べるのは手数料額と手取り額です。期日の遠い請求書は、近い請求書で足りないときの予備に回します。
1%の重さは、売る額で変わる
率の1%は、売る額面の1%です。100万円の請求書なら1万円、300万円なら3万円、1,000万円なら10万円になります。少額の請求書では、1%を下げてもらう交渉に時間をかけるより、支払日の近い請求書を選ぶ、売る額を必要額に合わせる、といった方が効くことがあります。反対に額が大きいほど、材料をそろえて交渉する手間に見合いやすくなります。
必要な額だけ売る
手取りで270万円が必要なときに売る額面は「必要額 ÷(1 − 手数料率)」で出せます。手数料10%なら額面300万円、5%なら約284.2万円で足ります。必要額よりかなり大きな請求書しかないときは、一部だけの買い取りに応じるかを聞いてみます(応じるかどうかは会社によって違います)。
図鑑の197サービスで見る:交渉の前に知っておく数字
図鑑に載せている197サービス(2026年10月16日時点)の公式サイトの記載から、手数料を下げる動き方に関わる数を数えました。
| 公式サイトの記載 | サービス数(197中) |
|---|---|
| 2社間に対応すると書く | 146 |
| 3社間に対応すると書く | 108 |
| うち、2社間と3社間の両方 | 91 |
| 2社間だけ | 55 |
| 3社間だけ | 17 |
3社間に対応すると書くのは197中108で、半分を少し超える程度です。2社間だけを扱うサービスが55あるので、3社間で安くしたいなら、申し込む前に3社間に対応するかを確かめます。
両方に対応する91のサービスなら、同じ会社に2社間と3社間の見積もりを両方頼めます。同じ会社で方式だけを変えた2つの数字は、3社間にする価値があるかを決めるいちばん確かな材料です。
最低額:少額ほど割高になりやすい理由
買い取る金額の下限(最低額)を書いているのは197中97で、残りの100は書いていません。書いている97の内訳は、10万円以下が36、10万円を超え50万円以下が51、50万円を超えるのが10でした。
最低額は「その金額から受け付ける」という意味で、その金額で率が低くなるという意味ではありません。審査や契約の手間はおおむね一定なので、最低額に近い少額の請求書ほど、手間の分が率に乗りやすくなります。少額の請求書しかないときは、同じ売掛先の請求書をまとめて売れるかを聞きます。
登記について書いているサービス
債権譲渡登記の扱いを書いているのは、「原則必要」が11、「場合による」が21、「原則不要」が33、「不要」が13で、119は記載がありません。半分以上が書いていないので、見積もりのときに「登記は必要か、その費用はいくらで誰が負うか」を聞くしかありません。
手数料の公表値の分布(下限・上限の中央値など)は相場の記事で扱っており、ここでは載せません。3社間に対応するか、最低額はいくらかといった条件で候補を絞り込みたいときはファクタリング会社の一覧(図鑑)を使えます。
見積もりの前にそろえる、手数料を下げる材料5つ
ファクタリング会社は、請求書が本物か、売掛先が期日に払うかを、限られた書類と短い時間で判断します。判断の材料が少ないと、わからない分を高めのリスクとして率に乗せるしかありません。材料を先に出すことが、そのまま交渉になります。
| 材料 | 何を・どれだけ | どう見せるか |
|---|---|---|
| 1. 売掛先との基本契約書・発注書(注文書) | 売る請求書の取引のもの。基本契約があればそれも | 請求書の金額・品目と、発注書の中身が合っていることを示す |
| 2. 入金の記録がある通帳 | 同じ売掛先からの入金が載った3〜6か月分 | 売掛先の名前の入金に印をつけ、支払日どおりに入っていることを示す |
| 3. 取引の年数がわかるもの | 最初の契約書、古い請求書の控え | 「何年から取引がある」と1行で言えるようにする |
| 4. 決算書・試算表 | 直近の決算書。期の途中なら試算表 | 赤字や税の滞納があるなら、理由と見通しを先に書いておく |
| 5. 他社の見積書 | 同じ請求書・同じ条件で取ったもの | 手取り額と、手数料以外の費用の内訳がわかる形で |
1〜3は売掛先と取引の確かさを、4は利用者側の事情を、5は相場の中での位置を示す材料です。書類の種類ごとの取り寄せ方や、そろわないときの代わりの書類はファクタリングの必要書類にまとめています。
通帳は「同じ売掛先の入金」が続いていることを見せる
通帳で見せたいのは残高ではなく、売る請求書の売掛先から、毎回の支払日に、請求どおりの額が入っていることです。3〜6か月分のうち、その売掛先の入金の行に印をつけ、請求書の控えと並べておくと、相手は短い時間で確かめられます。
ネットバンクの入出金明細を出す場合は、口座の名義と期間がわかるページも一緒に出します。入金の名義が略称になっているときは、どの会社の入金かを一言添えます。
決算書の弱いところは、先に書いておく
赤字の期がある、税金や社会保険料の支払いが遅れている、といった事情は、隠しても審査の途中でわかります。後からわかると、説明の無い不安として率に乗せられがちです。先に「赤字は一時的な設備の入れ替えのため、今期は試算表で黒字」「滞納は分納の約束があり、毎月払っている」のように、理由と今の状態を1〜2行で書いて渡します。
他社の見積もりは、条件をそろえて取る
見積もりは、売る請求書・金額・2社間か3社間か・希望する入金日をそろえて取ります。条件の違う見積もりを示しても、「条件が違うので」と言われて終わり、材料になりません。
数は2〜3社で足ります。多すぎると、急ぐ場面で返事を比べきれず、かえって決めるのが遅れます。
交渉で言うこと:電話・メールの言い方の見本
交渉といっても、強く値切る必要はありません。材料を渡して「この材料で条件は変わりますか」と聞き、手取り額で比べて、合わなければ見送る。この順番を守れば、言い方はていねいなままで十分です。
- 支払日の1〜2週間前売る請求書を選ぶ不足額を出し、売掛先と支払日で1枚を選ぶ
- 材料をそろえる契約書・通帳・取引の年数・決算書
- 2〜3社に見積もりを頼む同じ請求書・同じ方式・同じ入金日で
- 手取り額で比べる手数料以外の費用を引いた、振り込まれる額
- 言い方の見本で交渉する材料を見せて聞く。合わなければ見送る
見本1:材料を出して、条件が変わるかを聞く(電話)
最初の見積もりの電話や、審査の担当者とのやりとりで使います。
- 「売掛先の会社とは3年取引があり、この6か月は毎月の支払日に入金があります。通帳のその部分と基本契約書をお送りできます。この材料で、手数料の条件は変わりますか。」
- 「2社間の場合と、売掛先の承諾をもらって3社間にした場合で、それぞれの手取り額を教えていただけますか。」
- 「支払日が30日後の請求書と60日後の請求書があります。どちらを売る方が、手数料の額は小さくなりますか。」
見本2:他社の見積もりを示す(メール)
ほかの会社の見積もりは、率ではなく手取り額で示します。率だけを伝えると、別の名目の費用で埋め合わされることがあるからです。
- 件名:「お見積もりの条件のご相談(〇月〇日支払いの請求書・300万円)」
- 本文:「お見積もりをありがとうございます。同じ請求書・同じ方式・同じ入金日で、別の会社からも見積もりをいただきました。手数料以外の費用を含めた手取り額は〇〇万円です。御社のお見積もりの手取り額は〇〇万円でした。条件を見直していただける余地があれば、〇日〇時までにご連絡いただけますか。」
見本3:今回は見送ると伝える
- 「今回は手取り額が合わないため、見送らせていただきます。条件が変わるようでしたら、〇日まではご連絡をお待ちしています。」
見送ると言えるのは、ほかの選択肢があるときだけです。支払日の前日では、出された条件を受けるしかなくなります。見積もりは、支払日まで日数に余裕のあるうち(できれば1〜2週間前)に頼みます。
言わない方がよいこと
「今日中にどうしても必要です」「どこでもいいので通してください」のように、急ぎと立場の弱さだけを伝えるのは避けます。比べる余地がないと受け取られ、条件を見直す理由がなくなるからです。急いでいるときでも、伝えるのは希望の入金日と、こちらが出せる材料です。
聞いたことは書面で残す
電話で「下げます」と言われた条件は、メールや見積書で送ってもらいます。審査の後に率が変わることもあるので、その率が審査の前の目安なのか、審査の後に決まったものなのかも確かめます。契約書の中身が、言われた条件と同じかを最後に照らします。
やってはいけない下げ方
手数料を下げたい気持ちが強いと、取り返しのつかない方法に手を出しがちです。次の5つは、率が下がっても損が大きくなる下げ方です。どれも、その場では得に見えるのが共通点です。業者の側から持ちかけられることもあるので、言われたら立ち止まる合図として覚えておきます。
請求書の金額や日付を変える
請求書の金額を実際より大きくする、支払日を近く書き換える、まだ発生していない取引の請求書を作る。どれもファクタリング会社をだますことになり、詐欺などの罪に問われるおそれがあります。売掛先に知られれば、取引そのものを失います。
償還請求権つきにして率を下げる
「売掛先が払わなかったときは、利用者が買い戻す」という条件(償還請求権)をつければ率を下げる、と持ちかけられることがあります。率は下がっても、売掛先が倒れたときの負担をすべて自分が負う契約になります。
金融庁は、売主が債権を買い戻すこととされている取引や、売主自身の資金で支払うこととされている取引は、貸金業に当たるおそれがあると注意を呼びかけています。くわしくは償還請求権とはをご覧ください。※1
他社の見積もりを偽る
ありもしない低い見積もりを口にしても、書面を見せてほしいと言われれば終わりです。信用を失い、そのあとの審査で不利になります。他社の数字は、手元にある見積書の数字だけを伝えます。
「今日決めれば下げる」に乗る
その場で決めることを条件に下げる、という言い方は、比べる時間をなくすためのものです。本当にその条件で出せるなら、明日でも出せるはずです。即決を迫られたら、条件を書面でもらい、ほかの見積もりと並べてから決めます。
率だけ下げて、別の名目の費用を足される
率を10%から9%に下げる代わりに、事務手数料3万円と登記の登録免許税7,500円がつくと、300万円の手取りは269.25万円です。費用込みで10%の見積もりの手取り270万円より、7,500円少なくなります。率が下がった見積もりほど、手取り額を書面で確かめます。
- 売掛先との契約書・発注書売る請求書の取引のもの
- 入金の記録がある通帳同じ売掛先の入金が載った3〜6か月分
- 取引の年数がわかるもの最初の契約書や古い請求書の控え
- 同じ条件で取った他社の見積書手取り額と費用の内訳がわかるもの
- 請求書の金額や日付を変えるだます行為になり、取引も失う
- 償還請求権つきで率を下げる売掛先が払わないと自分が負う。貸付けとされるおそれ
- 他社の見積もりを偽る書面を求められれば終わり、信用も失う
- 「今日決めれば下げる」で即決比べる時間をなくす言い方
この章の根拠(1件)
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
2回目以降・継続利用で下げる前に考えること
2回目以降は、期日どおりに代金を渡した実績ができるため、条件が見直されることがあります。ただし、継続でどれだけ下がるかを示した公的な統計は無く、図鑑でも各社がどれだけ下げるかは確かめていません。下がることを前提に資金繰りを組まないでください。
継続の割引より大きいのは、毎月使うこと自体の費用です。300万円を手数料10%で毎月売れば、手数料は月30万円、1年で360万円です。1%下がっても、1年で324万円かかります。毎月の利用をやめる段取りはファクタリングから抜け出す方法にまとめています。
2回目に条件を聞くときの言い方
見直しを頼むなら、1回目の代金を期日どおりに渡した直後が自然です。「前回の請求書の代金は、〇月〇日の期日どおりにお渡ししました。同じ売掛先の請求書で、今回の条件を見直していただける余地はありますか。」と、実績を具体的に示して聞きます。下がらなければ、ほかの会社の見積もりと手取りで比べ直します。
ほかの会社の方が安いからと乗り換える場合は、今の契約に、将来の請求書もまとめて譲る条項や、途中でやめるときの決まりがないかを先に読みます。同じ請求書を2社に売ると二重譲渡になります。手順はファクタリングの乗り換え・併用をご覧ください。
手数料が下がらないときのほかの方法
材料をそろえても手数料が下がらない、または下がっても重いときは、ファクタリング以外の方法と並べて考えます。
- 売掛先に支払いの前倒しを頼む:売掛先が早く払ってくれれば、手数料はかかりません。前倒しの代わりに少しの値引きを求められても、ファクタリングの手数料より小さいことがあります。
- 支払先に支払日を延ばしてもらう:足りないのが1回の支払いだけなら、その支払いの日を動かす方が費用は小さくて済みます。
- 融資・ビジネスローンと比べる:審査に日数はかかりますが、年率はファクタリングよりずっと低いのが普通です。違いはファクタリングと融資の違いで比べています。
- 見積もりが高すぎないかを確かめる:相場の中でどのあたりかを判断する手順は、相場の記事の「見積もりが高いかを判断する手順」にあります。
- 見積もりを並べて比べる:3社までの見積もりは見積りの比較に入れると、手取り・費用の合計・実質年率を並べて見られます。
前倒しを頼むときは、「〇月末支払いの請求書を、〇日に払っていただくことはできますか。難しければ、一部だけでも助かります」と、日付と金額をはっきり伝えます。売掛先の都合もあるので、断られても関係が悪くならない聞き方にします。
使わない方がよい場合
次の場合は、手数料を下げる工夫より先に、使うかどうかを考え直します。
- 本業で毎月お金が減っていて、来月も同じだけ足りなくなる
- 手数料を引いた手取りでも、支払いに足りない
- 売掛先の支払いが遅れがちで、期日に入る見込みが立たない
金融庁も、高い手数料のファクタリングはかえって資金繰りを悪くし、多重債務につながるおそれがあると注意を呼びかけています。※1
この章の根拠(1件)
- 金融庁「多重債務防止のための注意喚起(高額な手数料によるファクタリングの利用に関する注意喚起)」
よくある失敗:率だけ見て手取りで比べない
手数料を下げようとして損をするのは、たいてい「率」だけを見ていたときです。よくある例と、避け方をまとめます。
広告の「○%〜」の下限で見積もりを比べた
広告の数字は、いちばん条件の良い取引の率です。自分の請求書にその率がつくとは限りません。比べるのは、自分の請求書で出してもらった見積もりどうしです。
登記費用・事務手数料を足し忘れた
率の低い会社を選んだら、登記の費用や事務手数料が別にかかり、手取りで負けた。「やってはいけない下げ方」の例では、率が1%下がって3万円得をするはずが、手取りでは7,500円の損に変わりました。見積もりを頼むときに、手数料以外の費用を名指しで聞きます。
入金の遅い安い見積もりを選んで、支払いに間に合わなかった
3社間で率は下がったが、売掛先の承諾に日数がかかり、支払日に入金が間に合わなかった。率の差より、支払いが遅れた損の方が大きくなることがあります。見積もりでは、振り込まれる日も一緒に確かめます。
値下げの返事を待って、比べる時間がなくなった
1社の値下げの返事を待つうちに支払日が近づき、結局高い見積もりで決めた。返事の期限は、こちらから「〇日〇時まで」と区切って伝えます。
書類を後から小出しにして、審査をやり直した
最初は請求書だけを出し、率が高いと言われてから通帳や契約書を足した。審査が2回になり、そのぶん入金も遅れた。下げる材料は、最初の見積もりのときにまとめて出します。
出典(3件)公的機関の資料・法令。2026.11.07に確認
- ファクタリングの利用に関する注意喚起(金融庁)www.fsa.go.jp
- 多重債務防止のための注意喚起(高額な手数料によるファクタリングの利用に関する注意喚起)(金融庁)www.fsa.go.jp
- (債権譲渡登記等)添付書面・登録免許税(法務省)www.moj.go.jp
FAQ
よくある質問
ファクタリングの手数料は交渉で下げられますか?
下がることはありますが、値引きを頼むより、材料を出して条件が変わるかを聞く方が効きます。売掛先との契約書、同じ売掛先からの入金が載った通帳3〜6か月分、同じ条件で取った他社の見積書を見せ、手取り額で比べます。合わなければ見送ると言える日程で頼むことが大切です。
ファクタリングの手数料を安くするにはどうすればいいですか?
信用の高い売掛先の請求書、支払日の近い請求書を選び、売掛先の承諾をもらえるなら3社間の見積もりも取ります。そのうえで取引の証拠となる書類をそろえ、2〜3社に同じ条件で見積もりを頼みます。300万円の請求書なら、率が1%下がると手数料は3万円減ります。
手数料が安いファクタリングはどう選べばいいですか?
広告の「○%〜」ではなく、自分の請求書で出た見積もりの手取り額で比べます。図鑑に載せている197サービス(2026年10月16日時点)のうち、3社間に対応すると書くのは108、2社間と3社間の両方は91です。3社間で安くしたいなら、対応するかを先に確かめます。
3社間ファクタリングにすると手数料はどれくらい安くなりますか?
どれだけ下がるかは会社と請求書によります。仮に300万円・30日の請求書で、2社間10%が3社間5%になれば、手数料は30万円から15万円に減り、実質年率は約135%から約64%と半分以下になります。売掛先の承諾に日数がかかる点も考えて選びます。
2回目以降は手数料が安くなりますか?
期日どおりに代金を渡した実績ができるので、条件が見直されることはあります。ただし、どれだけ下がるかを示す公的な統計は無く、前提にはできません。300万円を手数料10%で毎月売れば1年で360万円かかり、1%下がっても324万円です。毎月使うこと自体を見直す方が効きます。
手数料が安い見積もりで気をつけることはありますか?
率が下がった分を、事務手数料や登記費用など別の名目で足されていないかを確かめます。10%を9%に下げても、事務手数料3万円と登録免許税7,500円がつけば、300万円の手取りは費用込み10%より少なくなります。償還請求権つきで率を下げる条件にも応じないでください。
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