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資金繰り更新 2026.10.15

ファクタリングと融資(銀行・公庫・ビジネスローン)の違い

結論

融資は「お金を借りて利息をつけて返す」契約、ファクタリングは「売掛金を売って手数料を引いた代金を受け取る」契約です。融資の金利には年15〜20%の法律上の上限があり、年率で比べると通常はファクタリングより費用が低い一方、審査に時間がかかりやすいのが違いです。時間があれば融資を先に検討しましょう。

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フファクタリング図鑑編集部(執筆)・公開 2026.10.15

ファクタリングと融資(銀行・公庫・ビジネスローン)の違い
01

ひと目でわかる違い

融資は「お金を借りる」契約、ファクタリングは「売掛金を売る」契約です。金融庁は、一般的なファクタリングを、売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービスで、法的には債権譲渡契約だと説明しています。この性質の違いから、費用、審査、時間、決算書への表れ方が変わります。

比べる点 融資(銀行・公庫・ビジネスローン) ファクタリング
契約の性質 金銭の貸し借り 売掛金の売買(債権譲渡)
返す義務 あり(元本と利息を返す) 原則なし(売掛先からの入金で終わる)。償還請求権付きの契約を除く
費用 利息(法律で上限がある)、保証料など 手数料(会社によって幅がある)
審査で主に見られること 自社の返済能力(決算、事業計画、借入の状況) 売掛先の信用と、取引が実在するか
お金が入るまで 審査に時間がかかることが多い 比較的短い
使える金額 事業の規模や返済能力で決まる 手元の売掛金の額が上限
決算書への表れ方 借入金が増える 売掛金が減り、手数料が費用になる
02

融資の種類と特徴

銀行・信用金庫の融資

取引のある銀行や信用金庫から借りる方法です。中小企業の場合、信用保証協会の保証をつけて借りることが多くなります。保証料はかかりますが、金融機関が貸しやすくなります。売掛金を担保にする「流動資産担保融資保証制度(ABL保証)」もあり、全国信用保証協会連合会によると、保証限度額は2億円、保証割合は80%、保証料率は年0.68%、保証人は不要です。

日本政策金融公庫の融資

日本政策金融公庫は、国が出資する金融機関で、小規模事業者や個人事業主向けの融資も扱っています。たとえば「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)」は、社会や経済の変化で一時的に業況が悪くなった事業者向けの融資で、国民生活事業の融資限度額は7,200万円、運転資金の返済期間は10年以内(うち据置期間3年以内)です。利用できる人の条件には、「最近の決算期における売上高が前期または前々期に比し5%以上減少している方」などが挙げられています。

ビジネスローン(貸金業者の事業者向けローン)

銀行以外の貸金業者が、事業者向けに貸すローンです。貸金業者は、2つ以上の都道府県に営業所を置く場合は内閣総理大臣の、1つの都道府県だけに置く場合はその都道府県知事の登録を受けなければなりません。※1借りる前に、相手が登録を受けた業者かどうかを確かめましょう。審査が比較的早い商品もありますが、金利は銀行融資より高めになりやすい傾向があります。金融庁によると、個人の借入を年収の3分の1までに抑える「総量規制」は、貸金業者から個人が借りる場合に適用されるもので、法人名義での借入れは対象外です。

ビジネスローンも金利の上限は融資と同じで、年率で示されます。ファクタリングと比べるときは、ファクタリングの手数料を年率に直してから並べると、どちらが高いかがはっきりします。ただし、ビジネスローンは返済の義務がある借入です。毎月の返済額が、今後の入金で払える範囲かを先に確かめてください。

この章の根拠(1件)
  1. 貸金業法3条
03

費用の比べ方:年率に直す

融資の金利には法律の上限があります。金融庁によると、上限金利は貸付額に応じて年15〜20%で、これを超えると刑事罰の対象になる上限金利も2010年6月18日から年20%に引き下げられています。※1※2

一方、ファクタリングの手数料は「1回あたり何%」で示されることが多く、そのままでは金利と比べられません。比べるときは、次の式で実質年率に直します。

実質年率 = 手数料額 ÷ 手取り額 ÷ 入金までの日数 × 365

例(売掛金100万円) 計算 実質年率
手数料2万円、入金まで30日 2 ÷ 98 ÷ 30 × 365 約25%
手数料5万円、入金まで30日 5 ÷ 95 ÷ 30 × 365 約64%
手数料10万円、入金まで30日 10 ÷ 90 ÷ 30 × 365 約135%

入金まで30日の場合、手数料が約1.7%を超えると、実質年率は融資の上限金利である20%を上回ります。ファクタリングは「借入ではないから金利の上限がない」のではなく、そもそも金利ではない手数料なので、上限金利の考え方が当てはまらないのです。その分、自分で年率に直して比べる必要があります。手数料と実質年率の計算で確かめられます。

ただし、年率だけで決めるのも危険です。期間がごく短い場合は、年率が高くても手数料の金額は小さいことがあります。「年率」と「手数料の金額」の両方を見て判断しましょう。

決算書と次の資金調達への影響

融資で借りると、貸借対照表(会社の財産と借金の一覧)の借入金が増えます。毎月の返済も始まるため、返済の計画を立てたうえで借りる必要があります。一方で、決められたとおりに返していけば、金融機関との取引の実績になり、次に借りるときの判断材料にもなります。

ファクタリングでは、売った分の売掛金が帳簿から消え、手数料が費用になります。借入金は増えませんが、手数料の分だけ利益が減ります。毎期のように手数料が大きく計上されていると、金融機関から「資金繰りに余裕がない会社」と見られることもあります。融資の相談をするときは、ファクタリングを使った理由と、今後どう減らしていくかを説明できるようにしておきましょう。

また、売掛金を売ったあと、その売掛金を担保に借りることはできません。ファクタリングを使う前に、取引先の売掛金を担保にした借入の相談が進んでいないかも確かめておきます。

この章の根拠(2件)
  1. 利息制限法1条
  2. 出資法5条2項
04

審査で見られるものの違い

融資では、自社が期日どおりに返せるかが中心に見られます。決算が赤字だったり、税金や社会保険料を滞納していたりすると、借りにくくなります。

ファクタリングでは、売掛金を払うのは売掛先なので、売掛先が期日に払う会社かどうかが重く見られます。このため、融資が難しい状況でも利用できることがあります。ただし、取引の実在を確かめるため、請求書、契約書、過去の入金記録などの提出を求められます。審査の中身はファクタリングの審査で見られることで説明しています。

融資を断られた場合でも、断られた理由によっては、別の金融機関や公的な制度で借りられることがあります。融資を断られたときの考え方は融資を断られたときにまとめています。

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「ファクタリングのつもりが借入だった」に注意

金融庁は、ファクタリングを名目にして、貸金業の登録を受けずに高い金利で貸付けを行う業者があると注意を呼びかけています。契約書に「債権譲渡」と書かれていても、経済的に貸付けと同じ働きをするものは、貸金業の規制の対象になる可能性があるとしています。

次のような条項がある契約は、実質的には借入に近いと考えましょう。

  • 売掛先が払えなかったときに、自社が代金を全額払う(償還請求権がある)
  • 決まった日に、決まった額で売掛金を買い戻す
  • 売掛金の額に比べて、買取代金が著しく低い
  • 経営者個人が連帯保証人になる

こうした契約は、融資のように返す義務を負いながら、融資の上限金利を大きく超える費用を払うことになりかねません。契約前に償還請求権とはを確認してください。

06

どう使い分けるか

状況 向いている方法
必要な日まで1か月以上ある 銀行・信用金庫・日本政策金融公庫の融資を先に相談する
売上が落ちて、運転資金が足りない 日本政策金融公庫のセーフティネット貸付など、条件に合う制度を確かめる
売掛金はあるが、入金が支払日に間に合わない 取引先への早期支払いの相談、売掛金を担保にした借入、ファクタリングの順に検討
支払日まで数日しかなく、融資が間に合わない ファクタリング(年率と金額を確認してから)

融資とファクタリングは、どちらか一方だけを選ぶものではありません。急ぎの支払いはファクタリングでしのぎ、同時に融資の相談を進めて、次からは融資で回せるようにする、という使い方が現実的です。

融資を相談する順番は、まず普段取引のある銀行や信用金庫、次に日本政策金融公庫、という形が一般的です。取引のある金融機関は、口座の入出金から自社の状況をある程度知っているため、話が進みやすいからです。公庫の国民生活事業は、小規模事業者や個人事業主向けの融資を扱っており、銀行と並行して相談できます。複数に同時に相談しても問題はありませんが、それぞれに同じ資金繰り表と決算書を出し、説明が食い違わないようにしましょう。

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ファクタリングを使わない方がよい場合

  • 融資が間に合う時期:時間があるなら、費用が低い融資を先に検討しましょう。
  • 赤字の穴埋め:売掛金を早く現金にしても、利益が足りない状態は変わらず、手数料の分だけ赤字が広がります。
  • 融資の返済に充てる:高い費用で調達したお金で、低い金利の借入を返すことになります。返済が苦しい場合は、金融機関に返済条件の変更を相談するのが先です。
  • 毎月のように使っている:入金が前倒しになるたびに次の月が苦しくなり、やめにくくなります。

税金の支払いが苦しい場合は、税務署に申請して換価の猶予(原則1年以内で分割して納める制度)が認められることもあります。融資とファクタリング以外の方法も含めて考えましょう。

出典(6件)公的機関の資料・法令。2026.10.15に確認
  1. ファクタリングの利用に関する注意喚起(金融庁)www.fsa.go.jp
  2. 貸金業法(第3条)(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp
  3. 貸金業法のキホン(金融庁)www.fsa.go.jp
  4. 経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)(日本政策金融公庫)www.jfc.go.jp
  5. さまざまな保証制度(全国信用保証協会連合会)www.zenshinhoren.or.jp
  6. No.9206 国税を期限内に納付できないとき(国税庁)www.nta.go.jp

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