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資金繰り更新 2026.11.07

制度融資とは?利子補給・保証料補助で下がる負担と5都府県の比較

ハカセ
結論

制度融資は、自治体が条件を決め、金融機関が貸し、信用保証協会が保証する融資で、自治体が利子や保証料の一部を補助します。仕組みと探し方、5都府県の比較、800万円の計算例、入金までの日数を説明します。

初めての方へファクタリングを使う前に知る5つのこと・申込みから入金まで →

フファクタリング図鑑編集部(執筆)・公開 2026.11.07

制度融資とは?利子補給・保証料補助で下がる負担と5都府県の比較

「制度融資」は、自治体の名前がついた融資です。ただ、お金を貸すのは自治体ではなく、近くの銀行や信用金庫です。自治体が条件を決め、信用保証協会が保証し、自治体が利子や保証料の一部を補助するので、ふつうの保証付き融資より負担が軽くなります。

この記事では、仕組みと探し方に加えて、5つの都府県の制度を公式の資料で比べ、800万円を借りたときに補助でいくら下がるかを計算しました。申込みから入金までの日数と、支払日からの逆算もまとめています。

この記事を6枚で

1 / 6
金融機関 お金を出す 信用保証協会 保証する + 自治体 条件と補助 保証付き融資に、自治体の補助が付いたもの

この記事の流れ

制度融資は、保証付き融資に自治体の補助が付いたもの

お金を出すのは金融機関、保証は信用保証協会、自治体は条件を決めて利子や保証料の一部を補助します。仕組み、5都府県の比較、800万円の計算例、日数の順に説明します。

自治体条件を決め、補助する金融機関審査して、お金を貸す信用保証協会保証の審査をし、保証するあなたの会社保証料と利息を払い、返す

POINT 1

4者の役割を押さえる

審査をするのは金融機関と信用保証協会です。自治体の制度だからといって審査が軽くなるわけではありません。自治体は条件を決め、補助と損失補償で支えます。

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利子補給 利息の一部を自治体が負担 最初から利率が低い 本人と自治体で分ける 後から申請して戻る 後払いは、いったん全額払う 保証料補助 保証料の一部を自治体が負担 自治体 自分 融資のときの支払いが減る

POINT 2

利子補給と保証料補助

利子補給には、最初から利率が低い型、本人と自治体で分ける型、後から申請して戻る型があります。後から戻る型は、いったん全額を払い、自分で申請します。

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800万円・7年の利息+保証料の合計(例)補助なし95.5万円保証料1/283.2万円利子補給0.5%81.3万円両方69.0万円

POINT 3

800万円・7年で比べる

金利2.5%・保証料率0.8%の例で、補助なしの合計は95万4,733円です。保証料の半分と利子補給0.5%を重ねると68万9,867円まで下がります。

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1都道府県のページ一覧表・改定日2市区町村のページ上乗せの補助3信用保証協会制度の一覧4J-Net21地域の公募情報

POINT 4

探す順番は都道府県から

都道府県のページで一覧表を開き、次に市区町村の上乗せの補助を探します。制度名は地域で違うので、「小規模」「創業」「経営安定」「借換」の使いみちで探します。

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支払日から逆算する 相談2か月前 申込み 審査 入金支払日の前 入金まで1〜2か月、創業は2〜3か月 2週間を切ったら、ほかの方法と組み合わせる

POINT 5

入金まで1〜2か月をみる

区の案内では申込みから融資まで1〜2か月、創業の制度は2〜3か月です。支払日の2か月前に相談を始め、間に合わないときに切り替える日も決めておきます。

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01

結論:制度融資は「保証付き融資に、自治体の補助が付いたもの」。2か月前に動く

制度融資は、都道府県や市区町村が、金融機関・信用保証協会と組んで行う中小企業向けの融資です。お金を出すのは金融機関、保証するのは信用保証協会、自治体は条件を決めて補助する、という3者の分担になっています。

中小企業基盤整備機構のJ-Net21も、行政の予算から直接お金を借りるのではなく、資金の出どころは金融機関だと説明しています。行政と金融機関の両方の同意が要るので、手続きに時間がかかるとも書いています。

向く人・向かない場面

  • 向く:創業まもない人、従業員の少ない小規模の会社・個人事業主、1〜2か月先の運転資金や設備資金を、できるだけ安く借りたい人
  • 向かない:数日〜2週間で現金が要るとき。金融機関と保証協会の審査が続くので、まず間に合いません

この記事の地図

  1. 仕組み:自治体・金融機関・信用保証協会の役割
  2. 銀行のプロパー融資・公庫・制度融資の違い
  3. 利子補給と保証料補助:5都府県の比較
  4. 数字で確かめる:800万円を7年で借りたときの負担
  5. 自分の地域の制度の探し方と、制度名の読み方
  6. 申込みの流れと日数、支払日からの逆算
  7. 制度融資が向かない場合と、ほかの方法
  8. よくある失敗と注意点
制度融資の4者の関係:お金を出すのは金融機関、保証は信用保証協会、自治体は条件を決めて補助する

借りる・保証する

あなたの会社
① 制度融資を申し込む④ 融資(お金を出す)⑤ 利息と元金を返す
金融機関銀行・信用金庫など
② 保証を頼む③ 保証する
信用保証協会公的な保証人

補助する(制度ごとに中身が違う)

あなたの会社
条件どおりに申し込む(あっせんを受ける)保証料の一部・利子の一部を補助
自治体都道府県・市区町村
02

制度融資の仕組み:自治体・金融機関・信用保証協会の役割

埼玉県は、県・県内の金融機関・埼玉県信用保証協会が連携し、受付機関の商工会議所・商工会も加わる仕組みだと案内しています。登場する機関と役割は、次の表のとおりです。

だれ 役割 あなたから見ると
自治体(都道府県・市区町村) 使いみち・限度額・上限の利率・期間などの条件を決める。利子補給や保証料の補助をする 条件の決め手。補助の申請先になることもある
金融機関(取扱金融機関) 申込みを受け、審査し、お金を貸す 借りる相手。返済先
信用保証協会 返せなくなったときに代わりに返す約束(保証)をする。保証の審査をする 保証料を払う相手
受付機関(商工会議所・商工会など) 制度によって、申込みを受け付けて金融機関に紹介する(あっせん) 相談の入口の一つ

この表でわかるのは、審査をするのが金融機関と保証協会だという点です。自治体の制度だからといって、審査が別に軽くなるわけではありません。

自治体がしていること:補助と損失補償

自治体は、事業者の負担を下げるために主に2つのことをします。1つは利子補給(利息の一部を自治体が負担すること)、もう1つは保証料の補助(保証協会に払う保証料の一部を自治体が負担すること)です。

もう1つ、目に見えにくい役割があります。埼玉県は、借りた人が返せずに保証協会が代わりに返したとき(代位弁済)、保証協会の損失の一部を県が補うと説明しています。これを損失補償といいます。自治体が後ろで支えるので、保証協会や金融機関は低い条件で貸しやすくなります。

都道府県の制度と、市区町村の制度

制度融資は、都道府県と市区町村がそれぞれ持っています。東京都では、区の制度と都の制度を組み合わせて使える場合があります。板橋区は、区の融資の利率が都の制度の利率を超えると、都の保証料補助を受けられないと注意しています。重ねられるかどうかは、地域と制度ごとに確かめます。

保証協会そのものの仕組み、保証料の区分、責任共有制度(金融機関も損失の一部を負う仕組み)は、信用保証協会の仕組みと保証料の決まり方で説明しています。

03

銀行のプロパー融資・公庫・制度融資の違い

運転資金を借りる先は、大きく4つあります。プロパー融資は、保証協会の保証を付けずに金融機関が自分の判断で貸す融資のことです。

項目 銀行のプロパー融資 一般の保証付き融資 制度融資 日本政策金融公庫
お金を出す 金融機関 金融機関 金融機関 公庫
金利の決まり方 金融機関が決める 金融機関が決める 自治体が上限を決める(固定が多い) 公庫の基準利率・特別利率
保証料 なし あり(全額自己負担) あり(補助がある制度も) なし
審査 金融機関 金融機関と保証協会 金融機関と保証協会(自治体の要件の確認も) 公庫
入金までの目安 公表なし 公表なし。数週間はみる 1〜2か月(区の案内など) 1か月程度(公庫の案内)
窓口 金融機関 金融機関・保証協会 取扱金融機関・自治体・商工会議所など 公庫の支店

表のとおり、制度融資は「一般の保証付き融資」に、上限の利率と補助が加わった形です。一般の保証付き融資より安くなりやすい一方、使える制度の条件に合っている必要があり、手続きの段階も1つ増えます。

制度融資のメリットとデメリット

  • メリット:上限の利率が決まっていて、固定金利の制度が多い。利子補給や保証料補助で負担が下がる。取引の浅い金融機関でも、制度の条件に合えば相談しやすい
  • デメリット:審査が2段階で、入金まで1〜2か月かかる。地域の制度しか使えず、事業の年数などの条件がある。補助の申請を自分でする制度がある

つまり、急がないお金を安く借りる方法です。急ぐお金に使うと、デメリットのほうが大きく出ます。

公庫とは併用できる。創業のときは両方に相談する

公庫は国の金融機関で、自治体の制度融資とは別の枠です。借入の合計が返せる範囲かは審査で見られますが、両方から借りること自体はできます。公庫は申込みから送金まで「1ヵ月程度(土日、祝日を含む。)」と案内しています。創業のときは、公庫の創業向けの融資と、自治体の創業向けの制度融資を同時に調べて、条件と時期を比べるのが近道です。公庫の制度と手順は日本政策金融公庫の融資の申込み手順にあります。

小規模の事業者が商工会議所・商工会の推薦で借りる公庫のマル経融資は、保証協会の保証が要らない別の仕組みです。条件はマル経融資の5つの条件と金利で説明しています。

04

利子補給と保証料補助:何がいくら軽くなるか

補助には、利息を軽くするものと、保証料を軽くするものがあります。同じ「利子補給」という言葉でも、だれに払い、いつ軽くなるかが制度ごとに違います。

利子補給の3つの型

型 しくみ 例 気をつけること
最初から利率が低い型 自治体が金融機関に利子補給し、事業者は低い上限の利率で借りる 埼玉県の制度融資 自分で申請することはない
本人負担と自治体負担を分ける型 契約の利率を「本人が払う分+自治体が払う分」に分ける 文京区・新宿区のあっせん融資 延滞や区外への移転で補給が止まる
後から受け取る型 事業者が利息を払ったあと、申請して補給を受け取る 新潟市の障がい者雇用推進枠 いったん全額を払う。申請しないと戻らない

3つめの型がいちばん手間がかかります。新潟市の手引きでは、この枠の利子補給は「利子支払後、毎年、事業者から」担当課へ直接申請する決まりです。補給があるからと資金繰り表の利息を減らして書くと、戻るまでの数か月、手元のお金が足りなくなります。

2つめの型も、返済の状況で止まります。文京区は、利子補給を年4回、約定どおりの返済を確かめてから3か月分をまとめて金融機関を通して行います。繰上げ完済、区外への移転、代位弁済などがあると補給は終わり、過払いがあれば返すよう求めています。

保証料補助:多くは融資のときに差し引かれる

保証料は、融資を受けるときに金融機関を通して保証協会へまとめて払うのが一般的です。保証料補助は、その一部を自治体が負担するものです。新潟市は、市が保証協会に払う形で補助していると説明しています。東京都も、保証料の一部を保証協会を通じて補助するとしています。この形なら、事業者が払う額が最初から減ります。

補助の割合は制度ごとに違います。東京都では、同じ年度の中で全事業者2分の1、3分の2、小規模企業者だけ2分の1などの区分があります。新潟市のように「300万円以内は100%、300万円超1,000万円以内は50%」と融資額で割合を変える例もあります。

5都府県の、小規模事業者向けの代表的な制度

各都府県の公式の資料から、従業員の少ない事業者向けの代表的な制度を集めました。いずれも運転資金に使える制度です。

都府県 制度名 限度額 上限の利率(年) 保証料の扱い 時点
東京都 小口(小口フリーランス) 2,000万円 固定 2.80%(3年以内)〜3.20%(5年超7年以内) 全事業者2分の1を補助 2026年10月1日
埼玉県 小規模事業資金 2,000万円 2.1%(3年以内)〜2.5%(5年超) 年0.50〜1.76%以内(県は金融機関に利子補給) 2026年10月1日
愛知県 小規模企業等振興資金(小口資金) 2,000万円 2.0%(3年以内)〜2.2%(5年超7年以内) 小口零細企業保証。補助は市町村の制度による 2026年10月1日
大阪府 小規模企業サポート資金(小規模資金) 2,000万円 2.1%(固定) 大阪信用保証協会の定める料率 2026年10月
福岡県 小規模事業者振興資金(小口零細企業保証) 2,000万円以内 1.70% 年0.50〜1.75% 2026年7月1日

限度額がそろって2,000万円なのは、どれも国の「小口零細企業保証」を使う制度だからです。この保証は小規模企業者向けで、既にある保証付き融資の残高と合わせて2,000万円までと全国信用保証協会連合会は説明しています。

表からわかるのは、利率の上限と補助の組み合わせが地域で大きく違うことです。東京都は上限の利率が高めな一方で保証料の半分を補助し、埼玉県は県が金融機関に利子補給して上限の利率を下げています。埼玉県と愛知県は2026年10月1日から利率を上げており、年度の途中でも変わります。申し込む月の数字を、そのつど公式のページで確かめます。

市区町村の補助は、さらに厚いことがある

市区町村の制度には、都道府県より補助の厚いものがあります。新宿区の創業資金は、金利2.1%以下のうち本人の負担が0.2%以下、区の負担が1.9%以下で、保証料の2分の1(上限26万円)も区が補助します。創業の制度は特に、市区町村のページを先に見る価値があります。

05

数字で確かめる:800万円を7年で借りたときの負担

補助でどれだけ変わるかを、次の前提で計算しました。金利と保証料率は説明のための例で、実際の率は制度と審査で決まります。

  • 借りる額:800万円、期間7年(84回)、据置なし、元金均等返済(毎月の元金9万5,238円)
  • 金利:年2.5%(例。埼玉県の小規模事業資金の5年超の上限と同じ水準)。利息は月割りの概算
  • 保証料率:年0.8%(例)。東京信用保証協会の計算式「貸付金額×保証料率×月数÷12×分割係数(25回以上の均等分割は0.55)」で計算
補助の組み合わせ 利息の合計 保証料 合計 残高に対する年率
補助なし 70万8,333円 24万6,400円 95万4,733円 約3.37%
保証料1/2補助 70万8,333円 12万3,200円 83万1,533円 約2.93%
利子補給 年0.5% 56万6,667円 24万6,400円 81万3,067円 約2.87%
保証料1/2+利子補給 年0.5% 56万6,667円 12万3,200円 68万9,867円 約2.43%
本人負担0.2%+保証料1/2(新宿区の創業資金の形) 5万6,667円 12万3,200円 17万9,867円 約0.63%

補助なしと、保証料1/2と利子補給0.5%を重ねた場合の差は26万4,867円です。保証料の補助は最初の支払いを減らし、利子補給は7年かけて効きます。本人負担0.2%の形まで補助が厚いと、合計は補助なしの2割以下になります。

「残高に対する年率」は、利息と保証料の合計を、借りている残高と期間で割った値です。保証料を含めた本当の負担を、金利と同じ物差しで比べるために出しています。

800万円を7年・元金均等で借りたときの利息と保証料の合計(金利年2.5%・保証料率年0.8%は例)

利息+保証料の合計

  1. 補助なし95万4,733円
  2. 保証料1/2補助83万1,533円
  3. 利子補給 年0.5%81万3,067円
  4. 保証料1/2+利子補給0.5%68万9,867円
  5. 本人負担0.2%+保証料1/217万9,867円

補助なし補助が1つ補助を重ねた場合

後から受け取る型の利子補給は、手元のお金が先に出る

同じ年0.5%の利子補給でも、後から受け取る型なら、最初の1年は年2.5%で計算した利息18万6,905円をいったん全額払います。戻ってくるのは、そのうち年0.5%分の3万7,381円で、受け取りは申請のあとです。資金繰り表には、払う日と戻る日を分けて書きます。書き方は資金繰り表の作り方を参考にしてください。

自分の数字で出す式

  • 元金均等の利息の合計 ≒ 借りる額 × 年利 × (返済回数+1) ÷ 2 ÷ 12
  • 保証料 ≒ 借りる額 × 保証料率 × 月数 ÷ 12 × 0.55(据置なし・25回以上の均等分割)
  • 補助後の負担 = 利息 ×(本人が払う利率 ÷ 契約の利率)+ 保証料 ×(1 − 補助の割合)

同じ800万円・7年でも、東京都の小口の上限(年3.20%)で借りると、利息は90万6,667円になります。利率の上限が高い地域でも、保証料の補助で差が縮まることがあるので、利率だけで比べず、利息と保証料の合計で比べます。

06

自分の地域の制度融資の探し方

制度融資は、事業所(個人事業主は住所の場合も)がある自治体の制度しか使えません。探す順番は次のとおりです。

  1. 都道府県のページ:「(都道府県名) 制度融資」で検索し、その年度の一覧表か案内のPDFを開きます。改定日が書かれているかを確かめます。
  2. 市区町村のページ:「(市区町村名) 融資あっせん」「(市区町村名) 保証料補助」でも探します。都道府県の制度に上乗せの補助を出している市区町村があります。
  3. 地元の信用保証協会:その地域の制度融資の一覧を載せていることが多く、どの保証が付くかもわかります。
  4. J-Net21の支援情報:中小企業基盤整備機構のサイトで、地域ごとの融資・補助の公募情報を探せます。

制度名の読み方:名前ではなく使いみちで探す

同じ中身の制度でも、地域ごとに名前が違います。名前で探すより、次の4つの使いみちから当てはまるものを探すと早く見つかります。

使いみち 名前の例 見るところ
小規模の事業者の運転資金・設備資金 東京都「小口」、埼玉県「小規模事業資金」、愛知県「小規模企業等振興資金」、大阪府「小規模企業サポート資金」、福岡県「小規模事業者振興資金」 従業員の数の条件(多くは20人以下、商業・サービス業は5人以下)
創業前後の資金 東京都「創業」、埼玉県「起業家育成資金」、福岡県「新規創業資金」 創業から何年までか、自己資金の条件
売上の減少・取引先の倒産などへの対応 東京都「経営安定融資」、埼玉県「経営安定資金」、福岡県「緊急経済対策資金」 市区町村の認定が要るか
今ある借入の借換え・まとめ 東京都「特別借換」、埼玉県「借換資金」 対象になる借入、返済額がどれだけ下がるか

運転資金なら、各制度の「使いみち」「限度額」「補助」の3項目を最初に見ます。限度額が「平均月商の3か月分まで」のように売上で決まる制度もあります(埼玉県の小規模事業資金)。

市区町村の認定が要る制度

経営安定の制度の多くは、セーフティネット保証(売上の減少などで国の特別な保証枠を使う制度)の認定を、事業所のある市区町村で先に受ける必要があります。申込みの前に市区町村の窓口に行く日を1日、予定に入れておきます。認定の種類と限度額は、この記事の後半で紹介する「資金繰りが苦しいときの対処の順番」の記事で触れています。

探し方の例:東京都文京区の、従業員3人の小売店

文京区で小売店を営む会社が、在庫の仕入に500万円を借りたい場合で考えます。まず東京都の一覧を見ると、従業員5人以下の小売業は小規模企業者なので「小口」が候補になります。次に文京区のページを見ると、区のあっせん融資があり、受付は東京商工会議所文京支部で、区が利子の一部を負担します。

この場合、都の小口(保証料の半分を補助)と、区のあっせん(利子の一部を区が負担)のどちらが合うか、組み合わせられるかを、文京支部と取引のある金融機関の両方に聞きます。板橋区の例のように、区と都の制度の重ね方には地域ごとの決まりがあるからです。

07

申込みの流れと日数:金融機関経由と自治体窓口経由

申込みの入口は、制度によって2つに分かれます。どちらで受け付けるかは、案内の「申込先」「受付機関」の欄に書いてあります。

入口 例 向く人
金融機関から申し込む 東京都の制度融資(各金融機関の融資窓口で直接申し込む) 取引のある銀行・信用金庫がある人
自治体・商工会議所などから申し込む 埼玉県の小規模事業資金(受付は商工会議所・商工会)、文京区のあっせん(東京商工会議所文京支部) 取引のある金融機関がない人、創業の人

福岡県の小規模事業者振興資金のように、商工会議所・商工会と指定金融機関の両方を入口にしている制度もあります。東京都では、東京信用保証協会の各支店でも創業の相談と申込みを受けています。

手順

  1. 制度を選び、窓口を決める:自治体の一覧で制度を選び、相談する金融機関がその制度の取扱金融機関かを確かめます。
  2. 申込みと書類の提出:申込書と書類を出します。あっせんの制度では、区や商工会議所の面談がこの段階に入ります。
  3. 保証協会の審査:決算書や事業の内容を見ます。担当者との面談があることもあります。
  4. 金融機関の審査と契約:保証が決まると、金融機関が融資の条件を決めて契約します。保証料はこのときに払います。
  5. 融資の実行:口座にお金が入ります。
  6. 補助の手続き:後から受け取る型の利子補給や、後から申請する保証料補助は、ここから自分で申請します。
制度融資の手順:相談から入金、利子補給の申請まで
  1. 2か月前窓口を決めて相談する自治体のページで制度を選び、取扱金融機関か商工会議所・自治体の窓口に連絡する
  2. 1〜2週間申込みと書類の提出決算書2期・試算表・資金繰り表・納税証明書などをそろえる
  3. 数週間金融機関と信用保証協会の審査面談や訪問がある。自治体の要件の確認が入る制度もある
  4. 数日契約と保証料の支払い保証料は融資のときに金融機関を通して払う。補助があればその分が差し引かれる
  5. 当日融資の実行(入金)指定した口座に入る。ここまで1〜2か月、創業の制度は2〜3か月をみる
  6. 毎年・期限あり利子補給の申請後から受け取る型の制度だけ。期限と必要な書類を、借りた日に控えておく

入金まで1〜2か月、創業は2〜3か月をみる

決まった日数を全国で公表した資料はありませんが、自治体は目安を示しています。世田谷区は「融資あっせん申し込みから融資実行まで、概ね1~2か月程度」、文京区は申込みから融資の決定まで「通常1ヶ月位」で、創業支援資金は「2~3ヶ月かかる場合があります」としています。秋田市は、市・金融機関・保証協会がそれぞれ審査するため、申請から融資の実行まで2、3週間かかると案内しています。

3者の審査が順に進むので、どこか1か所で書類の不足があると全体が止まります。目安より短くなる前提では計画しません。

支払日から逆算する

たとえば、3月31日に仕入の支払いと賞与で800万円が要るとわかったとします。区のあっせん制度で、2か月の目安で逆算すると次のようになります。

いつ やること
1月中旬(約2か月半前) 都道府県と市区町村の制度を調べ、窓口に予約を入れる。資金繰り表で、いつ・いくら足りないかを出す
1月下旬 書類をそろえて申し込む。区や商工会議所の面談を受ける
2月 保証協会と金融機関の審査。追加の書類を頼まれたら、その週のうちに出す
3月上旬〜中旬 契約と融資の実行。入金を確かめてから支払いの予定を固める
3月下旬 間に合わないとわかったら、支払先への相談などの次の手に切り替える日

最後の行が大事です。入金が遅れたときに切り替える日を先に決めておくと、支払日の前日に慌てずに済みます。運転資金の借り方全体と審査で見られる点は、運転資金の融資を受けるにはにまとめています。

必要書類(一覧)

書類は制度と保証協会で違います。大阪府・福岡県・埼玉県の案内によく出てくるのは次のものです。

  • 信用保証委託申込書など、保証協会の申込書類
  • 決算書(法人)か確定申告書(個人事業主)の直近2期分
  • 納税証明書(事業税など)
  • 商業登記簿謄本(法人)、印鑑証明書
  • 許認可が要る業種は、許可証の写し
  • 設備資金なら見積書、創業なら創業計画書・事業計画書
  • 金融機関から求められることが多いもの:直近の試算表、資金繰り表、借入の一覧
08

制度融資が向かない場合と、ほかの方法

制度融資は負担の軽い借り方ですが、時間がかかり、使えない状態もあります。次の場合は、ほかの方法を先に考えます。

数日〜2週間で現金が要る

審査が間に合いません。先に、次のような早く効く手を打ちます。

  • すでにある当座貸越などの借入枠を使う
  • 支払先に、支払日をずらせないか相談する
  • 税金・社会保険料なら、猶予の相談をする
  • 売掛金を早く現金にする(ファクタリング)。図鑑に載せている197サービス(2026年10月16日時点)のうち、最短の入金時間を書いている178サービス中152サービスが「最短1日以内」としています

ただし、ファクタリングの手数料は融資の利息よりずっと重くなります。たとえば手数料10%・30日なら、手取りに対する実質年率は約135%です。制度融資が決まるまでの数週間だけ、足りない額に絞って使うのが基本です。

返済中の借入が重い

新しく借りても、返済の負担が増えるだけのことがあります。今の借入をまとめて月々の返済を下げる借換えの制度(東京都の特別借換、埼玉県の借換資金など)を、取引のある金融機関に相談します。何から手を付けるかの順番は、資金繰りが苦しいときの対処の順番で説明しています。

保証協会の保証が使えないとき

制度融資は、ほとんどが保証協会の保証付きです。保証の対象にならない業種(東京都の案内では農林・漁業、宗教法人など)や、税金の滞納・借入の延滞がある状態では使えません。東京都の案内でも、事業税などの未申告・滞納や社会保険料の滞納がないことが条件です(完納の見通しが立つ場合は別)。まず滞納を分納などで解消してから申し込みます。創業まもない場合の調達の全体は、創業まもない会社の資金調達にまとめています。どの方法が自社に合うか迷ったら、資金調達診断で状況から選べます。

09

よくある失敗と注意点

失敗1:補助を当てにして、利子補給の申請を忘れる

後から受け取る型の利子補給は、申請しないと1円も戻りません。毎年の申請や、決まった月までの提出が求められる制度があります。借りた日に、申請先・期限・必要な書類(返済の明細など)を控え、カレンダーに入れておきます。

失敗2:取扱金融機関でない銀行に相談して遠回りする

制度融資を扱う金融機関は、自治体が指定しています。取引のある銀行でも、その制度の取扱金融機関でなければ申し込めません。大阪府や福岡県の案内のように、一覧に金融機関の名前が並んでいるので、相談の前に確かめます。

失敗3:「制度融資の申込みを代行する」業者に高い報酬を払う

自治体・商工会議所・保証協会の相談は無料です。「融資が通るように手続きを代行する」として高い成功報酬を求める業者には注意します。国の認定を受けた支援機関(認定経営革新等支援機関)でも、請求する対価が実費から著しくかけ離れている場合や、契約の内容が不透明な場合、強引な勧誘をする場合は、財務局や経済産業局の報告窓口の対象になると北海道財務局は案内しています。

失敗4:融資の予定日を、確定した日だと思い込む

金融機関の担当者が言う「〇日ごろ」は、審査が順調に進んだときの見込みです。保証協会の審査で追加の書類を求められたり、減額されたりすることがあります。入金を確かめるまでは、支払いの予定を固めません。

失敗5:補助の上限を超える借り方をする

保証料補助には、補助する融資の額や補助の金額に上限があります。新宿区の創業資金は上限26万円、新潟市は融資額の区分で割合が変わります。新潟市は、補助を目的に融資を分けることはできないと明記しています。上限を超える部分は、補助なしの負担で計算しておきます。

失敗6:利率の上限だけで地域や制度を比べる

計算の章のとおり、保証料を含めた合計で見ると順番が入れ替わることがあります。利率・保証料率・補助の割合の3つを並べて比べます。

制度融資を申し込む前の確認表
  • 事業所のある都道府県と市区町村の両方のページを見た市区町村の補助が上乗せできることがある
  • 相談する金融機関が、その制度の取扱金融機関か確かめた一覧は自治体のページに載っている
  • 補助の申請先・期限・回数を控えた後から受け取る型は、自分で申請しないと戻らない
  • 支払日の2か月前に動き始めた入金日は審査が終わるまで決まらない
  • 「申込みを代行する」と成功報酬を求める業者自治体・商工会議所・保証協会の相談は無料
  • 税金の滞納や、借入の延滞がある多くの制度で対象から外れる。先に分納などの相談をする
  • 支払いまで2週間を切っている制度融資は間に合わない。ほかの方法と組み合わせる
  • 補助を当てにして、返済計画に余裕がない補助がなくても返せる額かで決める
出典(21件)公的機関の資料・法令。2026.11.07に確認
  1. 東京都中小企業向け制度融資のご案内(10月1日版)(東京都産業労働局)www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp
  2. 令和8年度東京都中小企業制度融資一覧表(10月1日改定版)(東京都産業労働局)www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp
  3. 要項・パンフレット(東京都中小企業制度融資)www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp
  4. 制度融資の概要(埼玉県)www.pref.saitama.lg.jp
  5. 埼玉県中小企業制度融資要綱(令和8年10月1日)www.pref.saitama.lg.jp
  6. 埼玉県中小企業制度融資(令和8年度下半期)の金利改定について(埼玉県)www.pref.saitama.lg.jp
  7. 小規模企業等振興資金 制度要領(愛知県)www.pref.aichi.jp
  8. 小規模企業サポート資金(小規模資金)のご案内(大阪府)www.pref.osaka.lg.jp
  9. 令和8年度 福岡県中小企業融資制度のご案内(福岡県)www.pref.fukuoka.lg.jp
  10. 令和8年度福岡県中小企業融資制度一覧表(福岡県)www.pref.fukuoka.lg.jp
  11. 東京都制度の併用について(板橋区)www.city.itabashi.tokyo.jp
  12. 創業資金・技術・事業革新資金ほか(新宿区)www.city.shinjuku.lg.jp
  13. 融資あっせん制度の概要(文京区)www.city.bunkyo.lg.jp
  14. 世田谷区の融資あっせん制度の仕組み(世田谷区)www.city.setagaya.lg.jp
  15. 一般事業資金(マル市)(秋田市)www.city.akita.lg.jp
  16. 新潟市制度融資の手引き(新潟市)www.city.niigata.lg.jp
  17. 制度融資の活用(J-Net21・中小企業基盤整備機構)j-net21.smrj.go.jp
  18. さまざまな保証制度(全国信用保証協会連合会)www.zenshinhoren.or.jp
  19. 信用保証料の計算例(東京信用保証協会)www.cgc-tokyo.or.jp
  20. 国民生活事業をはじめてご利用の方へ(日本政策金融公庫)www.jfc.go.jp
  21. 認定経営革新等支援機関に関する報告窓口について(北海道財務局)lfb.mof.go.jp

FAQ

よくある質問

制度融資とは簡単に言うと何ですか?

自治体が条件を決め、金融機関がお金を貸し、信用保証協会が保証する融資です。自治体が利子や保証料の一部を補助することが多く、一般の保証付き融資より負担が軽くなります。お金を出すのは自治体ではなく、近くの銀行や信用金庫です。都道府県と市区町村がそれぞれ制度を持っています。

制度融資は審査に通りやすいですか?

審査をするのは金融機関と信用保証協会で、自治体の制度だからといって審査が軽くなるわけではありません。さらに、その地域で1年以上事業をしていることや、事業税などの滞納がないことなど、制度ごとの条件も満たす必要があります。条件に合えば、低い利率と補助を使える点が利点です。

制度融資は申込みから何日で借りられますか?

全国で決まった日数はありません。世田谷区は概ね1〜2か月、文京区は通常1か月位(創業支援資金は2〜3か月)、秋田市は2、3週間と案内しています。金融機関と保証協会の審査が続き、書類が1つ足りないだけで全体が止まるので、支払日の2か月前には相談を始めます。

利子補給と保証料補助の違いは何ですか?

利子補給は、金融機関に払う利息の一部を自治体が負担するものです。保証料補助は、信用保証協会に払う保証料の一部を自治体が負担するものです。保証料補助は融資のときの支払いが減り、利子補給は返済の期間を通じて効きます。利子補給には、事業者が利息を払ったあとに申請して受け取る型もあります。

制度融資と日本政策金融公庫はどちらがよいですか?

どちらか一方を選ぶものではなく、併用もできます。公庫は保証料がかからず、申込みから送金まで1か月程度と案内しています。制度融資は保証料がかかりますが、補助で負担が下がる制度があります。創業のときは両方に相談し、利息と保証料の合計と、入金の時期で比べます。

個人事業主でも制度融資を使えますか?

使えます。東京都の制度融資は法人と個人事業者が対象で、小規模の事業者向けの制度(東京都の小口、埼玉県の小規模事業資金など)もあります。個人事業主は確定申告書の直近2期分や納税証明書を出します。事業所のある地域の制度しか使えず、地域で1年以上の事業を条件にする制度もあります。

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