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行政・法律2026.11.06

熊本地震の「二重ローン」に最大50億円のファンド。熊本産業復興相談センターが10月9日に開設

要点

内閣府・金融庁・中小企業庁は10月9日、熊本商工会議所内に熊本産業復興相談センターを開きました。中小機構とREVICは地元の金融機関などと最大50億円のファンドをつくり、地震前の借入れの債権を買い取って事業の立て直しを支えます。

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図ファクタリング図鑑編集部(執筆)・公開 2026.11.06

熊本地震の「二重ローン」に最大50億円のファンド。熊本産業復興相談センターが10月9日に開設
01

何が始まったか

内閣府・金融庁・中小企業庁は2026年10月9日、熊本商工会議所内に「熊本産業復興相談センター」を開設し、同じ日から相談の受付を始めたと発表しました。あわせて、中小企業基盤整備機構(中小機構)と地域経済活性化支援機構(REVIC)が、地域の金融機関などと共同で「令和8年熊本地震復興支援ファンド」を設立します。

ねらいは、いわゆる多重債務(二重ローン)の問題への対応です。地震の前からある借入れ(既往債務)の返済が負担になり、復旧のための新しい資金を借りにくい事業者を、相談からファンドによる債権の買取りまでつなげて支えます。ファンドは、8月27日に非常災害対策本部が決めた「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」を踏まえたものです。

02

相談センターとファンドの中身

相談センターは熊本商工会議所ビルの3階にあり、熊本商工会議所が運営します(熊本市中央区横紺屋町10、電話096-311-1288)。今後、八代市内にも相談窓口を開く予定です。主な業務は次の2つです。

  • ワンストップの相談窓口(関係する支援機関や支援策の紹介など)
  • 事業計画・再生計画の策定の支援

ファンドの概要は次のとおりです(金融庁が公表した別紙による。名称や組合員の構成は予定)。

項目 内容
名称 令和8年熊本地震復興支援投資事業有限責任組合(通称:令和8年熊本地震復興支援ファンド)
総額 最大50億円。出資は中小機構が約30%、REVIC復興キャピタルが約20%、残り約50%を地域の金融機関などが予定
組合員(予定) 肥後銀行、熊本銀行、熊本信用金庫、熊本第一信用金庫、熊本中央信用金庫、天草信用金庫、熊本県信用組合、熊本県信用保証協会、中小機構、肥銀キャピタル、熊本リバイタル、REVIC復興キャピタル
運営 肥銀キャピタル、熊本リバイタル、REVIC復興キャピタル
存続期間 10年間(最大3年間の延長が可能)
支援の対象になり得る事業者 令和8年熊本地震で被災し、既往債務の債権の買取りを主な手段として、多重債務の解消と事業の再建を目指す熊本県内の事業者

運営会社のうち、肥銀キャピタルは肥後銀行のグループ会社、熊本リバイタルはリサ・パートナーズが平成28年熊本地震のときに設立したファンド運営会社、REVIC復興キャピタルはREVICが設立した災害復興ファンドの運営会社です。

必要に応じて出資などで補う支援も使うとしています。平成28年熊本地震のときに組成した「熊本地震事業再生支援ファンド」の参加各社と連携した「オール熊本」の体制を想定しており、本年中をめどに組成を終える予定です。

03

どんな事業者に関係するか

地震前の借入れの返済を続けながら、建物や設備の復旧のためにさらに借りると、毎月の返済が重なります。売上が戻る前に返済が増えると、手元の資金が足りなくなりやすくなります。ファンドが金融機関から既往債務の債権を買い取れば、返済の条件を事業の再建計画に合わせて見直す道が開けます。

個人事業主で、地震の影響で事業性ローンなどを返せなくなった場合は、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」が使える可能性もあります。災害救助法の適用を受けた自然災害の影響で既往債務を返せなくなった個人の債務者が、破産などの法的手続によらず、債権者との合意で債務を整理するための決まりです。利用は、借入先の金融機関に直接相談します。

相談センターは、どの支援機関や支援策を使えばよいかの紹介もしています。災害貸付や保証の窓口が分からない、事業計画の書き方が分からない、という段階でも、最初の相談先として使えます。

新しく借りるための支援(公庫の災害貸付やセーフティネット保証4号など)も続いています。新しい借入れだけで乗り切れるのか、既往債務の見直しまで考えるべきかを、相談センターで一緒に整理できます。

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事業者がすること

  1. 地震前からの借入れを、借入先・残高・毎月の返済額・金利・保証の有無で一覧にする。
  2. 被害の状況(罹災証明書、修理の見積り)と、地震後の月ごとの売上と入金の予定を用意する。
  3. 熊本産業復興相談センター(096-311-1288)に相談し、新しい借入れで足りるか、既往債務の見直しが必要かを整理する。
  4. 個人事業主は、自然災害債務整理ガイドラインが使えるか、最も多く借りている金融機関に聞く。
  5. 返済が苦しい間に、手数料の高い資金調達を重ねない。ファクタリングを使うときも、手数料を年率に直し、再建計画の利益に見合うかを確かめる。
出典(3件)行政・団体・公式サイトの資料。2026.11.06に確認
  1. 内閣府・金融庁・中小企業庁「『熊本産業復興相談センター』の開設及び『令和8年熊本地震復興支援ファンド』の設立について」(2026年10月9日)www.fsa.go.jp
  2. 金融庁「『令和8年熊本地震復興支援ファンド(仮称)』の概要」(2026年10月9日)www.fsa.go.jp
  3. 一般社団法人 東日本大震災・自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインについて」www.dgl.or.jp

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