手形・小切手の交換は2027年3月31日で終了へ。手形で受け取る事業者がすること
全国銀行協会は、電子交換所での手形・小切手の交換を2027年3月31日で終えると明確にしました。取適法の対象取引では、手形払いはすでに禁止です。手形で受け取っている事業者は、でんさいや振込への切替えを取引先と話してください。
何が決まったか
全国銀行協会(全銀協)は2026年6月18日、電子交換所での手形・小切手の交換を「2027年3月31日」で終えると明確にしました。電子交換所は、銀行どうしが手形・小切手を交換して決済する場で、全銀協が運営しています。
銀行界は、2026年度末までに電子交換所での手形・小切手の交換枚数をゼロにすることを最終目標に掲げています(金融庁の説明)。全銀協は2025年3月に、電子交換所のシステムを更新しないこと、2027年度の初めから手形・小切手の交換をやめることを公表していました。今回はその時期を日付で示しました。あわせて、手形・小切手以外の証券(定額小為替証書など)の交換を、2029年6月29日で終えることも決めています。
全銀協は、2027年4月1日から手形・小切手が使えなくなるわけではないとしています。ただし、電子交換所を通さず、郵送などで銀行どうしが個別に決済することになるため、銀行の判断で取扱いが変わる可能性があります。
全銀協の案内では、多くの銀行が2027年3月を待たずに取扱いを縮めています。例として、手形帳・小切手帳の発行の終了や、2027年4月以降が期日の手形の取立ての受付の終了を挙げています。最終振出期限を決めた銀行もあり、その期限の後に振り出された手形・小切手は、原則として当座預金から支払われません。受け取った側が現金にできない場合があります。全銀協のサイトには、各銀行が決めた最終振出期限の一覧が載っています。
取適法では手形払いがすでに禁止
2026年1月1日に、下請法は「中小受託取引適正化法(取適法)」に変わりました。製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律 公正取引委員会と中小企業庁は、改正の柱の一つに「手形払等の禁止」を挙げています。
- 対象の取引では、代金を手形で払うことが禁止されました。
- 電子記録債権(でんさいなど)やファクタリングによる支払いも、支払期日までに代金の満額を現金で受け取るのが難しいものは禁止です。
- 公正取引委員会のよくある質問では、満期が支払期日より後のでんさいで払うことは、発注者が割引料を負担しても、通常は違反になると説明しています。
取適法が当てはまるかは、取引の内容と、発注者・受注者の資本金や従業員数で決まります。すべての取引が対象ではありません。
手形で受け取っている事業者に関係すること
手形で代金を受け取っている事業者は、満期まで待てば現金になる、という前提が崩れていきます。満期が2027年4月以降の手形は、取立てを受け付けてもらえない銀行があります。振り出した会社の銀行が最終振出期限を決めていれば、その後に振り出された手形は支払われないおそれがあります。
期日前に現金にする方法も変わります。
- でんさい:でんさいネットは、でんさいは分割して譲渡や割引ができると案内しています。支払期日には口座に自動で入金されます。
- 振込:手形の代わりに振込で払われる取引では、受け取る前の代金は売掛金として残ります。売掛金は、ファクタリングで期日前に現金にできます。
- ファクタリング:手数料がかかります。比べるときは、1回の手数料の率だけでなく、入金を何日早めるかと合わせて実質年率に直してください。
事業者がすること
- 手元の手形の満期日と、振り出した会社・銀行を一覧にする。
- 満期が2027年4月以降の手形は、取立てができるかを自分の取引銀行に聞く。
- 取引先と、でんさいや振込への切替えを話す。取適法の対象の取引なら、手形払いは禁止されていることも伝えられます。
- 期日前に現金が要るときは、でんさいの割引・譲渡、ファクタリング、銀行の融資を、手数料と入金までの日数で比べる。
- 取適法の対象の取引で発注者が手形払いを続けるときは、公正取引委員会の相談窓口に相談する。
関係するページ
出典
ファクタリング図鑑編集部・株式会社X-HACKER 誤りのご指摘はお問い合わせから